ジェームズ・キャメロンの監督・脚本で製作され、大ヒットを記録した『ターミネーター』(84)から35年。シリーズ最新作となる『ターミネーター:ニュー・フェイト』が11月8日から公開された。
本作には、主要キャストのアーノルド・シュワルツェネッガーとリンダ・ハミルトンと共に、『ターミネーター2』(91)以降、シリーズへの直接的な関与がなかったキャメロンが製作に復帰。監督は『デッドプール』(16)の大ヒットで世界中を驚かせたティム・ミラーが担当した。
そんな中、シュワルツェネッガーが、自身が演じたターミネーターT-800のモデルは、名優ユル・ブリンナーであったことを明らかにした。
シュワルツェネッガーは「私が初めてT-800を演じたとき、とても楽しかったことを思い出す。実は当時『ウエストワールド』(73)のユル・ブリンナーを見て、ブリンナーの役の演じ方がとてもパワフルで本物らしかったから、私も全く同じように演じたいと思ったんだ」と語る。
『ウエストワールド』でブリンナーが演じた役は、『荒野の七人』(60)で自ら演じたガンマンそっくりの、「ガンマン406号」という精巧な人間型ロボット。砂漠に建設された巨大遊園地「デロス」を舞台に、決して人間を傷つけないはずのガンマン406号らのロボットが突如反乱を起こす。その姿はまさに『ターミネーター』のT-800 そのものだ。
さらにシュワルツェネッガーは「私はT-800を演じる上で、『まずブリンナーになることだ』と思った。そのため、初めてキャメロンに会ったときに、どうしなければならないか、ターミネーターがどのように動き、行動すべきかを話した。その後、キャメロンは私にオファーをした」と明かした。
ところが、何とキャメロンも『ターミネーター』を誕生させる上で、『ウェストワールド』から強い影響を受けていたという。キャメロンは「僕は10 代のときに、マイケル・クライトンの『ウエストワールド』を見た。ここでは、人工知能ロボットが創作者に反抗する。僕はこれを『ターミネーター』のアイデアの土台として、推進力のあるアクション映画にするためにはどうするべきかを考えた」と明かす。奇遇にも、シュワルツェネッガーとキャメロンは同じ映画から影響を受けていたのだ。
最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』では「『ターミネーター2』のラストで溶鉱炉に沈んだはずのT-800 がなぜ生きているのか?」「彼の新たな目的とは?」といった謎が解明される。
(構成/田中雄二)