このところ文具界隈では、新しいノートの発表が立て続けです。それはここ最近に登場したいくつかのノート関連製品が一定の成功を収めていて、メーカー各社がその流れに乗るべく開発を盛んに行っているからだと考えます。
すでに登場しているノートでヒットしていると思われる銘柄を少し見てみましょう。たとえば、旅というテーマを設定して製品を取り巻く世界観込みで商品展開させた「トラベラーズノート(株式会社デザインフィル)」。東大合格生が使用したノートを研究したと謳う「ドット罫線入りノート・シリーズ(コクヨ)」。ビジネスノートの本流をめざした「ニーモシネ(マルマン株式会社)」。少しレトロな表紙の雰囲気が今の時代の感性にフィットした「ノーブルノート(ライフ株式会社)」。そして紙とデジタルとの連携をいち早く具現化した「ショットノート(株式会社キングジム)」。こうして実際に挙げてみると、いずれも個性的で独自の取り組みが各シリーズの人気に繋がっていることが分かります。
また、Webや紙メディアが近年、ノートや手帳についての記事を数多く取り上げるおかげで、ユーザーが情報をいち早く手に入れることができるようになり、新製品をすばやく「受け入れる」態勢が整っていることも、この活況を支えていると言えましょう。
今日もひとつ、新製品のお話。当コラムで昨年ご紹介した、太陽太陰暦(天保暦)を基準にしたダイアリー「旧暦日々是好日」を作っているルナワークスから、このたびノートの発表がありました。製品名は「季節のToDoノート」。
外観上の分類はA5サイズのワイヤー綴じノートです。綴じ位置が用紙の上側にある、いわゆるステノ・ノートタイプ。こうすることで筆記の際、綴じリングが手指に当たるのを防げます。裏表紙は写真のとおり充分な厚さかつ硬質なもの。手持ちの際や、平らな場所を確保できない時でも、丈夫な裏表紙が下敷き代わりになり、安定した筆記が可能です。その裏表紙、そして太いワイヤーの綴じリングなどから、いわゆる雰囲気系の雑貨とは一線を画す北米あたりの本格的なワイヤー綴じノートを連想させ、この製品への意気込みを垣間見る感じです。