近藤良平 近藤良平

学ラン姿でコンテンポラリーダンスや楽器演奏、コント、人形劇などを展開するダンス集団のコンドルズが、コンドルズ大阪限定 クリスマス会×忘年会公演2019『SMILE』を開催する。主宰の近藤良平に話を聞いた。

コンドルズ大阪限定 クリスマス会×忘年会公演2019「SMILE」チケット情報

結成23年を迎えた今、メンバーは30代から50代までの19人。昨年から、スピーディーでキレのある若手ダンサーを前に出した踊りが多くなってきた。世代交代に一抹の寂しさを感じないかと聞くと、「まったくないですね(笑)。僕も50代だけど、おじさんメンバーが出るときには『一丁やってやるか』と、若手に負けじとする気合が入るんです。長年のメンバーでダラダラとなりかけた時期もあったけど、若手を活躍させると全体が締まってきた。おじさんたちは物忘れが多くなってきたけど(笑)、相互作用で頑張っています」と飄々と語る。

近藤ら本職のダンサー以外は、会社の社長やバーのマスターなど個性派が揃う。「先月の兵庫公演では、鎌倉道彦君がふんどし一丁になって、ダンスを交えて神戸タワーに行くシーンがあったんですが、今回はその“超大阪版”をやります(笑)」。また、個性的な風貌ながら実は大学の准教授で、その摩訶不思議なダンスで観客の笑いを誘う石渕聡が中心となるダンスを構成中で、稽古場では「石渕さんを若者が支えまくっている状態(笑)」だという。さらに、体重120キロの巨漢をいかしたオクダサトシの踊りも面白い。「世界各国を回っていて、どの国でもオクダさんは大人気でズルいんですよ(笑)。でも、南アフリカだけは彼よりもふくよかな女性が多くて、あまりウケなかった(笑)」。そんな濃い面々がコンドルズを支えてきた。

人形劇や映像など笑えるシーンが多いが、ほかのダンスはもちろん、近藤が最後に見せるソロも格好よくて圧巻。「19年前のニューヨーク公演で初めてソロを踊った時に、『いろんなことをやっても、君のソロでコンドルズのやりたいことがまとまる。絶対にソロはやったほうがいい』と現地のプロデューサーに言われたのが始まりです」。静寂に包まれ、近藤の吐く息や身体を動かす音が場を支配する。「武士が全員、刀に手をかけているけれど誰も動かないみたいな、緊張した研ぎ澄まされた瞬間。僕にとっても贅沢な時間です」。

今年で18回目を迎える年末の大阪公演。「毎年、大阪で踊り納めができるのは本当にうれしい。メンバーによる恒例の大喜利もやりますし、タイトル通り、笑顔の未来へという意味を込めたい」。それぞれが好きなことをして生き、踊り続けるコンドルズ。その捉われない自由な姿はうらやましくすらある。年末は彼らと共に楽しい締め括りを。コンドルズ大阪限定 クリスマス会×忘年会公演2019『SMILE』は、12月21日(土)・22日(日)、グランフロント大阪 北館4階 ナレッジシアターにて上演。チケット発売中。

取材・文:米満ゆうこ