毎日料理する女性と違って、とかく男性は手際が悪いことが多い。
さらに悪いことに、大抵のキッチンは狭い。
すると何が起こるかっていうと、調理作業のカオス。

せっかく切った材料を鍋へ入れようとしてこぼす。
汚れた調理道具が、ふとした拍子に床に落ちる。
そんなこんなでキッチンはドタバタ。

そんなドダバタを一つでも軽減してくれそうなのがこちら。
折り目の入った、プラスチック製のまな板だ。
チョップツーボードという。 なんとイギリス生まれ。

   

 










ふつうのまな板と比べてみましょう。
上が折り目付き。下が檜のまな板。
最近は通常のまな板も薄手が人気で増えているけれど、
チョップツーボードはとてもコンパクト(まな板部分で36×27センチ)。

   

 










まな板から直接、切った食材を鍋に入れようとすると
どうしてもこぼれがち。忙しいと、ざばざば脇にこぼしたまんま。
これがコンロの汚れも招きます。

   

 










が、こちらは折り目に沿って、自然に曲がるのです。

   

 










ほ〜ら、これは気持ちイイ!
食材が小さな鍋にもスルッと入る。

   

 










柄の部分はここまでぐっと曲がるのです。
うちの旦那曰く「ここまで曲がるのなら、徹底的に小さくなるまで折れ曲がってほしい。そうしたらキャンプに持っていけるのに」。
まあまあ、もともとが軽くて薄いのだから、荷物の隙き間に挟み込めばよろし。
ということで、調理スペースがせまい、
手際が悪いなどの理由で、切った食材がぽろぽろ
こぼれ落ちるのは防いでくれそうです。


   

 










が、ひとつだけ好みの別れる点があります。
それは切った時の刃の当たり具合。
樹脂は思ったより硬く、ちょっとカキンカキンした感じです。

というのも、もともとこのメーカー、イギリスのガラス製生活雑貨の製造専門。
ガラス板のまな板をつくっていたのです。
欧米ではあまりまな板を使わず、鍋の上で手のひらで野菜を切って投入…なんてこともありますから、日本とはちょっと感覚が違うところもあるかもしれませんね。

色柄もきれいで食卓に置いて、フルーツや野菜をカットする。
日本の檜のまな板のヘビーユーズとは違うかもしれません。
が、一人暮らしや狭いキッチンでは、
そんなライトなまな板が、ある意味、便利かも。

実はこのチョップツーボード、ニューヨークの近代美術館に展示されていた
この折れるまな板を改良。2007年に商品化されたのです。
開発を進めたのがガラスメーカー製造一族ジョセフ家の双子の息子たち。
デザインと製造管理をそれぞれ担当し、息もぴったり。
ブランド名はその兄弟の名前から「ジョセフジョセフ」と名付けられました。
発売からわずか4年。世界中で50万枚も売れているそうですよ!

・ジョセフジョセフ チョップツーボード 2,520円(税込)
・お問い合わせは、マキノトレーディング(Tel:042-707-4559)

ほんま・みき キッチン、インテリア、デザインに関する執筆、企画、編集を手がけるエディター&ライター。食と暮らしを結ぶ具体的なもの、こと、考え方の取材が特に得意分野で、キッチンジャーナリストとしても活動中。独立前は老舗系インテリア専門誌の編集部に勤務。床壁、家具から雑貨まで住まい関わるものはすべて取材経験あり。手がけた本に「ザ・リアルキッチンガイド」「マイスタイルキッチン」「インターナショナルキッチンAtoZ 」「リノベーション物件に住もう!~超中古主義のすすめ」など。ブログ「キッチンのこころ