今年も大盛り上がり!IFFJ2016オープニングセレモニー

ここで、IFFJ2016初日に開催されたオープニングセレモニーの様子をお伝えしましょう。

この日は開場前からたくさんの映画ファンが詰めかけ、IFFJの人気ぶりを実感することが出来ました。

会場には、『FAN』に主演するシャールク・カーンへ、ファンの皆さんからの立派な花も飾られ華やかな雰囲気。

愛情を感じます!

今回のセレモニー、司会はインタビューでもご登場いただいたアンジェラ・ラーガさん。

本職がダンサーとは思えない軽妙な司会っぷりです。IFFJ2015特集でご登場いただいた広報のmikiさんと、2014特集でお話をうかがった主催のスレシュ・ターティさんも登壇。

さらにはインド映画研究家"アルカカット”のハンドルネームで知られる高倉嘉男さんによるレクチャーまで!

デリーの大学でヒンディー語博士号まで取得したという氏ならではの、濃厚な解説はとても勉強になります。いやはや、今年も盛りだくさんのイベントになりました。

 

注目作がズラリ!IFFJ2016公開作をちょっとだけご紹介

では最後に、オープニングセレモニーなどで得た情報や予告編から、公開作と気になるポイントをご紹介していきましょう。独断と偏見はご容赦くださいませ!

『恐怖症』

これまでにもお伝えしてきたように、インド映画は歌って踊るミュージカル風作品だけではありません。近年ではかなり幅広いジャンルの作品が制作されていて、ホラー映画も数多く作られているそう。

さらにはそのクオリティも年々高まっているとか。

こちらは、ある不幸な事件に遭遇したことから「広場恐怖症」になってしまった女性が、友人の紹介で住みはじめた家には恐ろしい秘密が…というストーリー。

予告編を見ただけで、なんだかゾワゾワしてきます。ジワッとした恐怖が味わえそうな作品!

『カプール家の家族写真』

オープニングセレモニー後には、短編映画『ムフティヤー』と『カプール家の家族写真』が公開。

特に、『カプール家の家族写真』は、アルカカットさんのレクチャー中で「インド映画を見慣れていればいるほど、予想通りにストーリーが進まない」と紹介されていました。

どんな展開が待っているんでしょう?

日本でも公開された『スチューデント・オブ・ザ・イヤー』のシッダールト・マルホートラとアーリヤー・バットが再共演。個人的には、パキスタンの俳優ファワード・カーンも気になっています。

 

『アリーガルの夜明け』

こちらは実話に基づく作品です。インドでは、同性愛が刑法によって犯罪とされていて、偏見も強いそう。

そんなインドで、同性愛者であることを理由に大学を追われた大学教授、そして彼に関心を持つ新聞記者。二人の間にいつしか友情が芽生えて…、というストーリー。

インドでは同性愛が違法、という事実は知らなかったので、まずそこが衝撃でした。

刑法的には違法とされていながら、それでもそれは罪なのか?という問題提起をするというのは、勇気のいることだったのではないでしょうか。実際に、舞台となった町では反対運動により上映できなかったとか。

それでも問いたかったテーマは何か?非常に気になります。

 

『キ&カ ~彼女と彼~』

こちらは美男美女のストレートカップルのストーリーですが、一筋縄ではいきません。

主夫志望の男性と、バリバリのキャリアウーマンが出会い、結婚して…さてどうなる?これもある意味、ジェンダーの問題を扱った社会派作品でもあります。

一足先に拝見したのですが、働く妻を持つ一人の夫として、いろいろと考えさせられるシーンがたくさん。

夫婦の家事分担は、万国共通のテーマなんでしょうか?日本とは全く違うインドならではの価値観も垣間見えて、そこも興味深かったです。

さらに、インド映画ファンなら必見!とも付け加えておきましょう。自分は思わず声が出ました(笑)。

 

『私が恋した泥棒』

こちらの作品は、今回公開される中では、唯一のベンガル語作品。

ヒンディー語のボリウッドムービーだけではない、多言語が存在するインドならではの奥深い映画世界が感じられそうです。

さらにはこの作品、黒澤明やスコセッシ、コッポラという巨匠からも称賛されるインド映画史に残る名監督、サタジット・レイの息子、サンディープ・レイ監督の作品とのこと。

名匠の血がどのように受け継がれているのか、こちらも気になります。

『ボンベイ・ベルベット』

こちらは日本で一般公開された『バルフィ!人生に歌えば』や『若さは向こう見ず』のランビール・カプール主演。話すことが出来ないけれどとてもチャーミングな男性や、ちょっとチャラ目の風来坊といった役柄を演じてきた彼のシリアスな演技には注目です。

映像的にも、美しいボンベイ(現在のボンベイ)の街並みが楽しめそうだし、SNSでの感想を見ると、音楽と映像のコラボレーションが素晴らしいとか。大きなスクリーンで見るべき作品のようですね!

 

『ガッバル再び』&『ハウスフル 3』&『エアリフト 〜緊急空輸〜』

こちらはまとめてのご紹介。実は3本ともに、人気俳優アクシャイ・クマールが出演しているんです。

予告編を見ると、もうキャラクターが全然違う!バリバリのアクションに、コテコテのコメディ、そして実話に基づいた作品と、インド映画の幅広さも感じられる3本になるのではないでしょうか。

エアリフト 〜緊急空輸〜』の舞台は1990年。中東にはインドからの出稼ぎ労働者が多く、クウェートにもたくさんのインド人が住んでいたのですが、イラクがクウェートを侵攻。

クウェート在住インド人を10万人以上、488回の空輸で脱出させ、これはギネスブックにも登録されているそうです。歴史的な出来事なんですね。

 

『ニールジャー』

こちらも『エアリフト 〜緊急空輸〜』と同じく航空モノかつ実話ドラマ。

1986年に起きたハイジャック事件で、犯人たちに勇敢に立ち向かった女性パーサーが主人公です。彼女を演じるのは、『プレーム兄貴、お城へ行く』のヒロインでもあるソーナム・カプール。

高貴な姫君と、勇敢なパーサーという全く違う役柄をどう演じ分けているのか、というポイントも気になります。ともかく彼女、超が付く美人さんです!

 

アクションにラブストーリーはもちろんのこと、スリルやサスペンス、考えさせられる社会問題から、それぞれの心に刺さる抒情的な作品も…。

そしてもちろん、美男美女、目くるめく映像世界に大盛り上がりのダンスシーンも!一作見たら、もっと見てみたくなる奥深いインド映画の世界。ぜひ一度浸ってみては?今回のレポートは以上です。

IFFJ2016 日程

2016年10月7日(金)~10月21日(金) 東京 ヒューマントラストシネマ渋谷
2016年10月8日(土)~10月21日(金) 大阪 シネ・リーブル梅田

詳細は公式サイトにて

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