どっちが8%? それとも10%?
線引きが難しくて、ちょっと分かりにくい軽減税率。
東京ディズニーリゾートの公式ウェブサイトでは、軽減税率への対応について、以下のように説明しています。
- 店舗の管理がおよぶ飲食設備(テーブル・椅子)が、あるかないかが基準
- テーブルや椅子がない店舗では、軽減税率(8%)を適用
- テーブルや椅子がなくても、アルコールやスーベニアは対象外(10%)
つまり、近くにテーブルや椅子がない店舗では、テイクアウト扱いとなり、8%が適用されているのです。
逆にドリンクやパンのように、ホテルの部屋に持ち帰れる食料品でも、店の前にテーブルや椅子があれば、10%が適用されてしまいます。
公式ウェブサイトのレストラン情報ページを見ていくと、座席数の表記がある店舗と、ない店舗があります。
これが一つに基準になっています。
なお、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドでは、同じ商品であれば買う場所によって、値段が変わらないようにしています。
もちろん「持ち帰るから8%にして!」なんてお願いはできません。
安く買えるような裏ワザはありませんので、十分ご注意ください。
ちなみに、東京ディズニーシーの「リバティ・ランディング・ダイナー」のように、座席数の表記がないのに、10%が適用される場所もあります。
パークの中でも、8%と10%のお店の線引きが難しいことがよく分かりますね。
同じ食料品でも、税率が違う!?
さて、ここまでで、テイクアウトと外食の線引きについて見てきました。
実は同じ食料品でも、軽減税率が適用されるものと、そうではないものがあるのです。
例えば、パーク内で売られているポップコーン。
紙のレギュラーボックスや、お代わりのリフィルの場合は、8%が適用されます。
しかし、ポップコーンバケットを買う場合は、なんと10%になってしまうのです。
国税庁の基準によると、食料品と一体になっている商品の場合、全体の価格に占める食品の部分が、3分の2を下回ってしまうと、軽減税率の対象外に。
レストランで販売されている、持ち帰れるプレートやカップも、同じ理由で軽減税率の対象外、つまり10%が適用されます。
同様に、お土産用のお菓子でも、パッケージの種類によって、8%の商品と10%の商品に分かれています。
値札はすべて内税表示になっているため、税率の違いは一切分かりません。
レシートを見て、初めて同じお菓子でも税率が違うことが分かるのです。
「よく分からない!」ですまされないかも…?
「税金って難しくて分からない」「どうせ払うんだから知らなくていい」なんて人も多いかもしれません。
しかし、消費税は、私たちの生活と密接に関わっています。
政府は今回の税率引き上げで増えた税収を、増え続ける社会保障費に充てるとしています。
東京ディズニーリゾートを訪れたときには、消費税のこともちょっと考えてみてくださいね。
※本記事は、2019年12月現在の税制をもとに、大河内薫 税理士による監修を受けています。