「王と花魁」より、喰始×久本雅美×大久保ノブオ

ワハハ本舗の全体公演が生まれ変わる──。ピリオドを打った『ラスト3~最終伝説~』から3年、来春2020年5月に復活する全体公演のタイトルは『王と花魁』。そのビジュアル撮影日、構成・演出の喰始、艶やかな花魁に扮した久本雅美、座長の大久保ノブオに“新生”ワハハ本舗への思いを尋ねてみた。

【チケット情報はこちら】

『ラスト』三部作を終えてもなお、募る全体公演への思い。一座に広がる「ワハハ本舗ワールドを消したくない」という機運を久本と盟友・柴田理恵がキャッチして訴え、喰がそれに応えて全体公演の“復活”を決断したのが本作の始まりだ。オリンピックイヤーに重なる劇団の新たな門出を、大久保も「本当に泣きましたね!」と振り返る。

その前哨戦として、今年6月に行われたのが『ベスト・オブ・全体公演~ショー・マスト・ゴー・オン~』。1989~2017年で計32回に及んだ全体公演から選りすぐったネタを、300席弱の小劇場で展開した。“オカルト二人羽織”など、近年の大ホール巡演で見せることのなかった初期の伝説ネタを繰り広げた久本は「ワハハを初めて観るお客さんに喜んでもらえて嬉しかった」とコメント。1996年に入団した大久保も「僕が加入する前の伝説のネタを通じてワハハの歴史に感じ入りました」と続き、改めて全体公演への思いを強くしたと語る。

では“新生”全体公演はどうなるのか──。喰は「歌舞伎をはじめ、日本の“和”をモチーフにさまざまな世界が融合した作品になると思います」と現段階での構想を口にした。この日、ビジュアル撮影現場で出た案は“ヘヴィメタ花魁”。喰の「生演奏で音楽遊びをしてみたら?」という提案に、大久保とタマ伸也のコミックバンド・ポカスカジャンが名乗りを上げる。ワハハの特徴である観客参加型のステージも予定しており、久本は「来たからには『(観客の)みんなも劇団員だろ?』って煽っちゃう」とニヤリ。

なお『王と花魁』ポスタービジュアルの“王”には、大物ミュージシャンを起用。本番に出演しないイメージキャラクターだが、誰がワハハ本舗の新たな局面を祝うのか注目だ。さらに喰は、本作に続いて「2作目は“ミュージカル”、3作目は“フェスティバル”をテーマに新しい三部作を立ち上げます」と予告。今後も“新生”ワハハ本舗ワールドから目が離せない。

公演は5月27日~31日に東京・なかのZERO 大ホールで行われたあと、6・7月に全国17会場を巡演する。チケットぴあでは1月18日から1月27日まで東京公演の抽選先行を受付。

取材・文:岡山朋代
撮影:川野結李歌