3月9日、第2回『新型コロナウイルス対策連絡会議』が実施された。会議後の記者会見でJリーグ・村井満チェアマンとNPB・斉藤惇コミッショナーが次のように語った。
「専門家の先生方から18日(水)のJリーグ再開、20日(金・祝)のプロ野球開幕は延期することが望ましいと助言をいただいた」(村井)
「今は個がどれだけ身を挺して全体に尽くせるか試されている。複雑な方程式を解いていかないといけない」(斉藤)
Jリーグは各クラブ、NPBは各球団と協議の上、再開&開幕延期が正式発表されるが、「18日の再開は現時点で非常に難しい」(村井)、「個人的には開幕延期はやむを得ないと思っている」(斉藤)とのこと。
専門家チームは次のように見解を語った。
「選手・スタッフ・家族とともに観客のリスクをできる限り下げていかなければならない。まず37.5℃以上ある人を探す入場チェックが必要。トイレや座席の清掃・消毒をどうするか。観客の意識も含めて、この1週間で準備するのは難しいという判断」(東北医科薬科大学医学部感染症学教室・賀来満夫特任教授)
「再開・開幕へはふたつ条件がある。基本再生産数(ひとりの感染者が生み出す2次感染者の平均値)の減少と各球団への教育・啓発と物品的な準備。このふたつがキーになる」(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学・三鴨廣繁教授)
「感染症の専門家として観客を守る、選手・スタッフを守る、そして日本のスポーツ文化を守ることが大事。このウイルスはインフルエンザのように暖かくなったら消滅するわけではない。1か月か、半年か、1年か、賢く対応していかないといけない」(東邦大学医学部微生物・感染症学講座・舘田一博教授)
再開・開幕時期のイメージについて質問が飛ぶと、チェアマンとコミッショナーは次のように答えた。
「リスクをゼロにするためファン・サポーターに協力をお願いするかもしれない。サーモグラフィーが設置できない場合は体温の自己申告をしてもらうとか、マスクがないならバンダナやタオルマフラーを代用するなど。さまざまな準備を3月中にできるようにがんばりたい」(村井)
「143という数字は極力やりたい。何週間のズレならば143試合が可能か。いくつかのイベントをやらないとか、寒くなってもやるとか」(斉藤)
また、無観客試合についての可能性について、ふたりはこう言及した。
「本日の助言は無観客も含めた延期。なるべく観客を入れる方向で考えていきたい」(村井)
「12球団と話してからになるが、最後の最後での選択。ほとんどありえない選択ではないかと思っている」(斉藤)
専門家による最終的な提言は3月12日(木)にまとめられる。