第3回新型コロナウイルス対策連絡会議後記者会見の出席者一同 (C)J.LEAGUE 第3回新型コロナウイルス対策連絡会議後記者会見の出席者一同 (C)J.LEAGUE

3月12日、第3回『新型コロナウイルス対策連絡会議』が実施され、提言が発表された。『日本野球機構・日本プロサッカーリーグにおける新型コロナウイルス感染症対策』は選手・関係者への対応から観客への対応、観客の入場を前提にした試合開催など8ページにわたり書き記されている。

気になる「観客の皆様への対応」を見てみたい。「野球・サッカー観戦の観客に対する感染予防策」として、発熱・咳・倦怠感・咽頭痛などがみられる場合の観戦の取り止め、サーモメーター等を利用したスタジアム入場時の体温チェック(37.5℃以上の観客に対する入場禁止)、スタジアム内でのマスクの着用の呼びかけ、スタジアムの回遊型コンコースの移動制限、スタジアム内でのアルコール飲料販売の抑制、手指消毒剤の設置などを明記。観戦リスクが高い応援行為として、ジェット風船応援、肩組み、飛び跳ねなど集団での動きの伴う応援、指笛での応援、トランペット・ホイッスル等の鳴り物での応援、メガホンを打ち鳴らしながらの声援、ビッグフラッグ応援、ファインプレー等での観客のハイタッチなどの具体例を挙げた。

記者会見でNPB・斉藤惇コミッショナーとJリーグ・村井満チェアマンは次のように語った。

「スポーツイベントを安全・安心に開催するための応援スタイルや運営について細かく指摘してもらった。この後12球団とどうすすめていくか話し合っていきたい」(斉藤)
「今日本で一番忙しいお三方と短い期間に3回時間をいただき、日本全体の財産となる提言をいただいた。これをもとに準備を進めていきたい」(村井)

専門家チームの3人は以下のようにコメントした。
「これはスポーツ界と専門家による初めての提言。ほかのスポーツジャンル、さらに東京五輪・パラリンピックへ向けて、有効的に生かしてもらいたい」(東北医科薬科大学・賀来満夫教授)
「今回一番気を使ったのはリスクマネジメント。チーム、観客へのリスクマネジメント。飛沫感染とともに接触感染も予防してもらいたい」(愛知医科大学・三鴨廣繁教授)
「この提言は選手・観戦者の中からひとり感染者が出てもパニックにならない、封じ込めるために書いている。一人ひとりの行動によってリスクを下げていってほしい」(東邦大学・舘田一博教授)

無観客試合の可能性について問われると、「無観客でスタートすると観客を入れるタイミングが問題になる」(斉藤)、「今は日程を後ろ倒ししているところ。日程調整が無理な状況になって初めて無観客が選択肢になってくる」(村井)と答えた。

この提言をもとにJリーグは4月のリーグ再開、プロ野球は4月開幕に向けて、準備を進める。