パリ・オペラ座バレエ団が実に15回目となる日本公演のために来日。開幕を前に2月27日、都内で記者会見が行われ、ステファン・リスナー総裁をはじめ、マチアス・エイマン、昨年末にエトワールに昇格したばかりのレオノール・ボラックらが出席し、意気込みを語った。
カリスマエトワールとして活躍したオレリー・デュポンが昨秋、芸術監督に就任。今回の来日公演では、ロマンティック・バレエの代表作と言える「ラ・シルフィード」、さらに「グラン・ガラ」では、「テーマとヴァリエーション」「アザー・ダンス」、そしてバンジャミン・ミルピエによる「ダフニスとクロエ」が上演される。
リスナー総裁は冒頭、毎回の日本のファンの温かい歓迎への感謝を口にする。デュポン就任後、初の来日公演となるが「古典は新作に栄養を与え、新作は古典に刺激を与えるもの。歴史を大切にしつつ、現代性を表現することがオペラ座の芸術監督には求められるのです」と語り、特に「ダフニスとクロエ」は1年ほど前に作られたフレッシュな作品。現代的な美術を含めて注目してほしい」と語った。
人気エトワールのマチアス・エイマンは「ラ・シルフィード」「ダフニスとクロエ」の両公演に出演するが「『ラ・シルフィード』はロマンティック・バレエの代表作であり、オペラ座のレパートリー。私にとっては演じるのは2度目ですが、再演においても常に探求の余地があり、新たなパートナーを得て再発見をしていくべきものです。特に日本はバレエを愛する人々が多く、熱意を持って迎え入れてくださるので、こうしてみなさんの前で踊れること嬉しく思っています」と語る。これまで同じダンサーとして向き合ってきたデュポンと芸術監督とエトワールという関係で向き合うことについて「彼女の選択を信頼しています。彼女は“継承”と“共有”を目的とし、すでに自分の場所を見つけたと思います。彼女の好奇心が今回も大いに発揮されることと思います」と深い信頼をうかがわせた。
レオノール・ボラックは12月31日にエトワールに昇格したばかりの“新星”。「エトワールとしての第一歩を日本で踏み出せること、12月31日の公演でも一緒に踊ったマチアスと今回もパートナーを組めることに、より強い感動を覚えています。エトワールになったということを考え過ぎれば、それは緊張と恐怖の元となるので、プリミエールの頃からやってきたことの継続を心掛けて踊りたいと思います」と意気込みを語っていた。
パリ・オペラ座バレエ団2017日本公演は3月2日(木)開幕。
撮影・取材・文:黒豆直樹