ヒロインのファニー役を演じる瀧本美織

 音楽劇「マリウス」の公開舞台稽古が6日、東京都内で行われ、出演者の今井翼、瀧本美織、林家正蔵、柄本明、脚本、演出を務める山田洋次監督が取材会に出席した。

 本舞台は、フランスの人気作家マルセル・パニョルの戯曲を原作に、仏、マルセーユに暮らす陽気な人々の姿をコメディータッチで描いた古典喜劇。今井は船乗りに憧れる主人公の青年マリウスを、瀧本はその恋人ファニーを演じる。

 今井は、約1カ月間の稽古を振り返り「本当に毎日が目の覚めるような思い。素晴らしい方々に支えられて大船に乗った気持ち。これほど幸せな時間はないと思っています」とコメントした。

 初日を迎え「僕にとっては1日、1日を大事に、昨日より今日…という思い。それが僕にとっての新たな道として開けるように、とにかく精いっぱい頑張りたいと思います」と笑顔で意気込みを語った。

 2013年の舞台「さらば八月の大地」でも今井を演出した山田監督は「一番最初の読み合わせに比べると、本当に素晴らしくなりました。彼が稽古の段階でこんなにも成長していくとは予想もしていませんでした」と今井を褒めた。

 また「初めてこの作品に触れたのは60何年も前。その時になんて面白い本なんだ、こんな芝居を見たいな…と思っていたら60何年ぶりかに実現して何だか夢みたい。うれしいです」と喜びを語った。

 今井は「今回(山田監督と)連絡先の交換ができたことが本当にうれしくて…。女の子に連絡先を聞いたこと以上にうれしい」と笑わせ、経緯について「僕がちゃんと先に(連絡先を)お渡しして、その後ご連絡先をいただきました」と説明。まだ実際にやり取りをしたのは一度だけだというが「恐れ多いし(今は)毎日お会いできますので…」と恐縮しきりだった。

 一方、ヒロインを演じる瀧本も「初日の実感はまだないですが、稽古でやってきたことを信じてファニーとして生きたいと思います」と気合は十分。

 制作発表時には、もう一組の“タッキー&翼”誕生として話題を呼んだが、この日も報道陣から「新たなタッキー&翼として…」と振られた瀧本は「頑張りたいです。本当に…」と照れ笑いを浮かべた。

 今井も「“あのタッキー”も見に来てくれると思うので、タッキーとタッキーがそろうことに(なりますね)」とほほ笑み「(本物が)嫉妬しちゃうかも?」という突っ込みにも「そうですね」とノリノリで応じた。

 舞台では2人がフラメンコを踊る場面も。初挑戦となった瀧本は「今までやってきた踊りの中でも一番難しかったのですが、翼さんがリードしてくださるので楽しく踊っています」とアピール。

 底の厚いフラメンコシューズを履いての登場となった今井も「普段から(身長は)この高さです」と冗談めかしつつ、報道陣のリクエストに応じる形で瀧本と激しいタップダンスを披露し、会場を盛り上げた。

 舞台は6日~27日、都内、日生劇場で上演。