Jリーグ村井満チェアマン(3月23日撮影) (C)J.LEAGUE

5月11日、第7回『新型コロナウイルス対策連絡会議』の記者会見がウェブ会議システムで実施された。緊急事態宣言が延長される中、NPB・斉藤惇コミッショナーとJリーグ・村井満チェアマンは次のように語った。

「緊急事態宣言の延長を受け、予断を許さない状況。この状況で開幕を決めるのは難しい。一部の県で解除や緩和された結果が20日過ぎに出てくれば、我々の決定にも影響が出る。細かいガイドラインを作り、丁寧に準備を進めたい」(斉藤)
「今日の段階で再開日程については話していない。いかにリスクを少なくしていくか話をした。移動を含めて選手を守る。再開だけではなく再開後の安定運営するための話を先生方からいただいた」(村井)

専門家チームの3人は以下のようにコメントした。
「選手たちがシーズンを戦うためにPCR検査が必要なのはわかっている。選手の健康管理をする上で重要なのもわかっている。ただ国民全員が受けられない中、選手に優先的な検査を受けさせることが世論として許されるのか。今後議論していかないといけない」(東北医科薬科大学・賀来満夫教授)
「全体練習できないと試合はできない。全体練習、オープン戦を経て開幕という流れ。ただ全体練習はいつからするのかというのは、緊急事態宣言が解除されてからの話」(愛知医科大学・三鴨廣繁教授)
「実効再生算数は重要だが、医療の現場が逼迫した状態にある。新たな感染者数や実効再生産数で低い数字が1か月続いて医療の現場の状況は改善されていく」(東邦大学・舘田一博教授)

5月14日(木)・21日(木)に緊急事態宣言の解除・緩和が進んだ際のプランを問われると、コミッショナーとチェアマンはこう答えた。

「感染状況が改善してきて緊急事態宣言が解除となったら、我々も前向きにトレーニングやオープン戦の話をテーブルに載せることができる」(斉藤)
「斉藤コミッショナーと同様に、Jリーグとしては緊急事態宣言を尊重しながら、一定程度世の中のコンセンサスが取れれば、再開に向かっていきたい」(村井)

セ・リーグ関東開催・パ・リーグ関西開催など一部報道にあった集中開催について質問が飛ぶと、コミッショナーは「移動のリスクを考えればひとつのアイデア。ただ12球団と話していない。開催できるが移動はできない状況下での選択肢。具体案として協議していないが、考え方としてなくはない」と答え、PCR検査の優先実施の可能性について問われると、チェアマンは「国民に優先して検査を受けようとは思っていない。ただ一般検査センターが稼動したり、簡易検査が出てきたり、グループ検査の考え方だったり、今日は薄日が見えてきた」と返答した。