2009年8月、ある衝撃的なニュースが、アメリカのエンターテイメント業界に伝わりました。
それはウォルト・ディズニー・カンパニーが、アメリカン・コミックス出版大手のマーベル・エンターテインメントを買収する、というものでした。
その後、ディズニー社は、マーベルのキャラクターが主役となった映画を多数制作。
今ではピクサーやスター・ウォーズに並ぶ、ディズニーの一大コンテンツに成長しています。
しかし、ディズニーファンの中には「マーベルはよく知らない」「敷居が高そう」なんて感じている方もいるかもしれません。
今回はそんな方のために、マーベルシリーズについて、分かりやすく解説していきます。
「アメコミ=マーベル」ではない!
読者のみなさんは、「マーベル」と聞いて、どんなキャラクターを思い浮かべるでしょうか。
アイアンマン、スパイダーマン、キャプテン・マーベルなどなど…。
多種多様なキャラクターがいると思います。
「あれ? バットマンやワンダーウーマンは、マーベルじゃないの?」
そう思った方もいるかもしれません。
アメリカのコミック業界では、マーベルとDCコミックスが、二大出版社として並んでいます。
スーパーマンやワンダーウーマン、バットマン、アクアマンは、すべてDCコミックスのキャラクターなのです。
「アメリカン・コミックス=マーベル」ではない、という点に注意しておきましょう。
実写映画の権利関係は複雑!
さて、マーベルはディズニーに買収されましたが、すべての権利をディズニーが管理している、というわけではありません。
マーベルの実写映画は、主に3つの会社が管理しています。
マーベル・スタジオ
マーベルの映画部門で、ディズニーの子会社です。
主要なマーベルキャラクターの作品は、ここが管理しています。
- アイアンマン
- インクレディブル・ハルク
- マイティ・ソー
- キャプテン・アメリカ
- アベンジャーズ
- アントマン
- ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
- ドクター・ストレンジ
- ブラックパンサー
- キャプテン・マーベル
20世紀スタジオ
マーベル・スタジオよりも先に、実写映画を手がけました。
2019年3月にディズニーによって買収され、こちらも子会社化されています。
- X-MENシリーズ
- ファンタスティック・フォー
なお、どちらのシリーズも、マーベル・スタジオが制作を引き継ぐと発表されています。
ソニー・ピクチャーズ
さて、ここが一番複雑かもしれません。
日本でもおなじみの「ソニー・ピクチャーズ」は、マーベルのキャラクターのうち、スパイダーマンの権利を管理しています。
- スパイダーマン(1、2、3)
- アメイジング・スパイダーマン(1、2)
- スパイダーマン:ホームカミング、ファー・フロム・ホーム
同じスパイダーマンの実写映画でも、主要キャストやスタッフが違う、3つのシリーズがあるのです。
しかし、海外のディズニーパークでは、スパイダーマンのグリーティングが行われています。
また、スパイダーマンの新しいアトラクションも計画されています。
権利はソニー・ピクチャーズが管理しているのに、どうしてディズニーが使えるのでしょうか。
実はここに「ユニバース」とよばれる、アメリカン・コミックス独自の考え方が関係しているのです。