世界観が違う!? アメコミならではの「ユニバース」
ディズニーがスパイダーマンを使うことができるのは、ソニー・ピクチャーズとマーベル・スタジオが業務提携を結んでいるからです。
アメリカン・コミックスは、昔から「リブート(再始動)」といって、同じキャラクターでもストーリーを仕切り直したり、新しく作り直したりすることが行われてきました。
スパイダーマンも、初期の3部作とアメイジングの2部作には、直接の接点はなく、別々の作品になっています。
主役のスパイダーマン役ですら、トビー・マグワイア(初期3部作)とアンドリュー・ガーフィルド(アメイジング)で異なるぐらいです。
それぞれの作品が持っている世界観は、「ユニバース」と呼ばれています。
アメコミ業界では「バース」とも略され、それぞれがパラレルワールドのように共存していると言えます。
こっちのバースでは死んでしまったキャラクターが、別のバースではそのまま活躍している…なんてことも珍しくありません。
スパイダーマンのうち、「ホームカミング」や「ファー・フロム・ホーム」は、ソニーとマーベルが業務提携したあとに作られました。
つまり、別のバース「マーベル・シネマティック・ユニバース」に属する作品として作られているため、ディズニーパークでも展開することができるのです。
「マーベル・シネマティック・ユニバース」は、ユニバースの一つ
アメコミファンの間では「MCU」という言葉がよく使われます。
これは「マーベル・シネマティック・ユニバース」の頭文字を取ったものです。
先ほども触れたとおり、アメコミでは、同じキャラクターでも、複数の世界観「バース」が設定された作品がつくられています。
この世界観を複数のキャラクターが共有するのも、アメコミの大きな特徴なのです。
例えば、仮面ライダーやスーパー戦隊、プリキュアのように、別々の世界にいるキャラクターが、映画では一つの舞台に登場することがあります。
同じように、マーベルのキャラクターたちが、同じ一つの世界観を共有することがあります。
これが「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」なのです。
「アバター」を抜き、全世界で歴代最高の興行収入を叩きだした「アベンジャーズ/エンドゲーム」という作品があります。
これは、様々なキャラクターたちが、同じバースに登場する「クロスオーバー」の作品として制作されました。
一方で、権利関係が複雑になっているために、MCUに出演できないキャラクターもいます。
例えば、X-MENやファンタスティック・フォーのキャラクターたちは、「アベンジャーズ」シリーズには登場しません。
またスパイダーマンも、「ホームカミング」や「ファー・フロム・ホーム」はMCUのキャラクターとしてストーリーがつながっていますが、それ以外の作品は一切関わっていません。
海外パークへ行く前に、予習しておきたい!
海外のディズニーパークでは、マーベルのキャラクターをテーマにしたアトラクションが、続々と誕生しています。
これは、「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」に所属しているキャラクターの権利を、ディズニーが管理しているからです。
また、今後も新しいアトラクションが追加されていく予定です。
海外パークへ行く前に、マーベルについて知っておくと、アトラクションをより楽しめるはず!
しかし「作品がたくさんあって、どれから見ればよいのか分からない」という方も多いでしょう。
よくあるのが、同じ作品の「1」「2」「3」を順番に見ていくやり方です。
実はマーベルの作品は、同じキャラクターが主役の作品でも、「1」と「2」の間に様々な事件があり、それを知っている前提で続編につながっていくのです。
まさに「初見殺し」知らないで見てしまうと、ストーリーがうまくつながりません。
そんなことにならないためにも、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)としてつくられた順番に見ていくのが、一番おすすめです。
フェーズ1
- 「アイアンマン」(2008年)
- 「インクレディブル・ハルク」(2008年)
- 「アイアンマン2」(2010年)
- 「マイティ・ソー」(2011年)
- 「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」(2011年)
フェーズ2
- 「アイアンマン3」(2013年)
- 「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」(2013年)
- 「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(2014年)
- 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014年)
- 「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」(2015年)
- 「アントマン」(2015年)
フェーズ3
- 「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(2016年)
- 「ドクター・ストレンジ」(2016年)
- 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」(2017年)
- 「スパイダーマン:ホームカミング」(2017年)
- 「マイティ・ソー バトルロイヤル」(2017年)
- 「ブラックパンサー」(2018年)
- 「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)
- 「アントマン&ワスプ」(2018年)
- 「キャプテン・マーベル」(2019年)
- 「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)
- 「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(2019年)
フェーズ4
- 「ブラック・ウィドウ」(2020年11月6日公開予定)
- (今後も多くの作品が公開予定)
「こんなにたくさんの作品、見られないよ!」と思った方も多いかもしれません。
マーベルの作品は、NHKの朝ドラや大河ドラマのように、一つの大きな流れでつながっています。
一つを見始めると続きが気になりますし、前に見た映画とのつながりがあると、より先に進みたくなると思います。
しかし、どうしても時間が足りないという方は、アトラクションに関係する作品だけをチェックしていきましょう。