(写真左より) 渡瀬裕司ジャパンエスアールCEO、大久保直弥ヘッドコーチ

6月2日、ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズの記者会見が行われた。3月14日に新型コロナウイルスの影響で『スーパーラグビー2020』が中断後、サンウルブズは『スーパーラグビー豪州大会』への参戦を交渉してきたが、オーストラリアへの入国許可が下りず、また仮に入国が許可されても選手はホテルの客室で14日間の強制的な隔離が義務付けられ、7月3日(金)の大会に準備が間に合わないと判断した。今回の決定を受け、5シーズンにわたって世界最高峰リーグへ参戦してきたサンウルブズの挑戦は終わった。渡瀬裕司ジャパンエスアールCEOと大久保直弥ヘッドコーチは次のように語った。

「我々としては隔離の間、トレーニングを許可してほしいと伝えたが、叶わなかった。まず選手・スタッフへ直接説明したかったので、土曜日に説明し、月曜日にリリースという運びとなった。覚悟を決めて海外からやって来た選手や退路を断った選手、まだまだ伸び代のあるチームだったので、こういう形で終わってしまい申し訳ない」(渡瀬CEO)
「率直に言ってこういう終わり方になって残念。ただこの2か月、もう一度プレーできるように多くの人が選手たちのために一生懸命動いてくれた姿を見ていたので納得している。今シーズンをひと言で説明するのは難しい。選手たちには胸を張ってほしいと伝えた。こういう形で終わったが、集合してから(開幕戦の)レベルズ戦までの4週間は日本ラグビーの歴史に名を残すチームだったと思う」(大久保HC)

サンウルブズはこれにて解散となるのか、チームとして存続する可能性があるのか問われると、渡瀬CEOはこう答えた。

「今後については何も決まっていない。サンウルブズは『ワールドカップ2019』への強化の一環としてできた器。その役割は果たせたが、いちチームとして我々が思っている以上に大きくなった。このまま選手を抱え続ける形は考えていない。バーバリアンズ(試合の時だけ世界各国から選手が招待され編成するチーム)的な形がいいかもしれない。ラグビー協会としっかり話していかないといけない」

また大久保HCは「個人の意見を言わせてもらうと、どんな形でも名前を残してもらえるとうれしい」と希望した。

ファンへの別れの挨拶の場も考えている。

「贅沢を言えば壮行試合ができればベスト。ただファン感謝祭の方が現実的。競技場でできるのか、オンラインなのか。ぜひ実現できるようにしていきたい」(渡瀬CEO)

指揮官は選手たちを称えた。

「わずか3か月とは思えない、2・3年一緒に仕事しているチームのようだった。チームがよくなるために自分が何をするべきなのか、ひとり一人の行動が素晴らしかった」