映画『花戦さ』の公開初日舞台あいさつが3日、東京都内で行われ、出演者の野村萬斎、市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市、山内圭哉、和田正人、森川葵、吉田栄作と篠原哲雄監督が出席した。
本作は、暴君と化した豊臣秀吉(猿之助)の圧政から町衆を守るため、花僧・初代池坊専好(萬斎)が、刀ではなく花を手に、一世一代の大勝負に挑む姿を描く。
本作の内容にちなみ「壁にぶつかった時に自分が行っている秘策は?」と尋ねられた野村は「昔はエレキギターをとにかく爆音で弾くというのをやっていました。憂さ晴らしですね」と語ったが、「今はやっていない。今は物まねをしたりして遊んでいます」と意外な対処法を明かした。
続く猿之助は「とりあえず寝ます。問題があろうがなかろうが、人間は、不思議なことに、寝るとちょっと(悩みが)薄らぐので」とコメントした。
佐藤は「若いころは、ジタバタしていて、役に悩むと動物園に行って動物を見たりしていましたが、ある時、こんな去勢されたような生活をしている動物を見ても何もならないと気付いた」といい「今はただ“降ってくる”のを待つだけです」と語った。
一方「滝に打たれます」と観客を笑わせたのは中井。「うそです」とすぐさま訂正すると「人間は、ぶつかると壁のことだけを考えるから駄目なんですよ。人生を振り返ると、引いて壁を見ると、必ずどこかに穴があるもの。そんな穴から抜け出しています」と大人の余裕を見せた。
佐々木は「そもそも壁を作らない」とマイペースに回答。「大きな目標とかを決めるから壁が出来るのあって、僕は日々、せりふを間違えた、覚えられない、役者に向いてないな…、などと小まめに落ち込むので(そもそも)壁が出来ないんです」と語り、ほほ笑んだ。
山内は「考えても仕方がないので酩酊するまで飲む」と壁を見ない方法で乗り越えてきたとし、和田も「諦めます。壁をどう登るかでなくて、どう迂回するかという方向に発想を変えたら楽になると思うようになった」と自身の変化を語った。
そんな先輩俳優たちの言葉に耳を傾けていた森川は「今、私はちょうど仕事という壁にぶつかっているので、皆さんの方法を参考にして乗り越えられるように頑張ります」と初々しくコメントした。