撮影=稲澤朝博

時間の使い方も変化。最新シングルでは初めてメインパートを務める

――アンジュルムへの加入から約1年で、時間の使い方も変わりましたか?

笠原:そうですね。研修生時代は平日に学校へ通い、土日にレッスンや定期公演に参加するという生活だったんです。でも、今では平日も学校が終わったらレッスンへ通ったり、リハーサルの日数も少なくなったので自宅での練習時間が増えました。

――お話を伺っているだけでも忙しさが伝わってきますが、そんな中でも笠原さんなりの息抜きは何かありますか?

笠原:お父さんの影響で小3の頃からずっと洋楽を聴いてるんですよ。一つのアーティストさんをじっくりと聴くというよりも、常にランキングをチェックしていて。元の歌詞を和訳と見比べながら「この部分はこういう意味だから、このアクセントで歌っているのか」と発見しながら聴くのが自分なりの息抜きですね。

――パフォーマンスにも今後、活かされそうな趣味ですね。そんな笠原さんが初めてメインパートを務める曲も収録された最新シングル『愛さえあればなんにもいらない/ナミダイロノケツイ/魔女っ子メグちゃん』が2017年6月21日にリリースされますが、このシングルの注目すべきポイントを教えてください。

笠原:1曲目と2曲目、3曲目でそれぞれ目立つメンバーが異なるんです。『愛さえあればなんにもいらない』は全体的にカッコよくてクールだけど、サビになると「大大大好き」という歌詞があったり、かわいさとのギャップがある曲ですね。

『ナミダイロノケツイ』はレコーディングのときにディレクターさんから「気持ちをまっすぐに込めて歌ってみて」と言われて、しんみりとした雰囲気なんだけど、歌詞をよく読むと前向きになれる曲というのが印象的です。

最後の『魔女っ子メグちゃん』は私が初めてメインのパートを務めさせていただいて、昔から歌い継がれている曲をカバーするというのはプレッシャーもありました。

歌の先生からは「最初のフレーズで歌は決まるから、そこからキメればあとは自然と続いてくるからね」とアドバイスをいただいたので、出だしに気合いを入れました。ダンスでは「大人っぽく」がテーマなので、まだ中学生だからその部分はもっと磨き上げていきたいです。

――今後さらに、パフォーマンスが磨かれていくのを楽しみにしています。ちなみに現在、笠原さんが思う今後の課題や目標はありますか?

笠原:今年初めて日本武道館(「アンジュルム コンサートツアー2017春~変わるもの 変わらないもの~」/2017515日)へ立ったときに、きっと会場に来られなかった人たちもいっぱいいるんじゃないかと思うようになったんです。

CDのリリースイベントでも同い年くらいの方から「いつも応援しています」と声をかけていただいたときも、自分の視野が狭かったんじゃないかと気付かされたんですね。

握手会では海を離れた国から来てくださる方もいて、自分から足を運べないのはもどかしいから海外でもライブができるようにしたいというのがグループとしての目標ですね。その一人として、歌もダンスもトークも、先輩たちを見習ってもっともっと磨いていきたいと思います。

 

インタビュー中、研修生時代から母親に「ステージの上では常に自分がいちばんだと思いなさい」と言われると明かしてくれたが、今でもその言葉を胸に刻み、ステージへ臨んでいるという。アンジュルムへの加入から2年目へ突入する今年、どんなパフォーマンスでグループに彩りを加えてくれるのか。その成長から目が離せない、メンバーの一人だ。

埼玉在住。編集者・ライター・デザイナーなど。制作会社から独立後、フリーランスとして出版物や印刷、Webなどに関わる。守備範囲は、アイドルやアングラ、ガジェットなど。日常すべてが取材をモットーに、寝るとき以外はネタを探すべくつねに目を光らせている。時折、夜の街もフラつく。交通費やチケット代、物販など含めれば、月に数万円使うほどアイドルが好き。30代にして、アイドルを通して“青春”を追いかけている。