昨今の相次ぐ映画化もあり、興味を寄せる声が増えてきた印象もあるアメコミ。
昨年映画化された『ジャスティス・リーグ』にも参加の『バットマン』らが名を連ねる「DCコミックス」や、『アベンジャーズ』における『アイアンマン』らを擁する「マーベルコミック」をはじめ、さまざまな出版社からあらゆるヒーローやヴィランズが登場している。
その奥深い魅力を探るべく、東京・秋葉原にある“アメコミの聖地”として名高い『ブリスターコミックス』へ取材。
前回記事<【アメコミ】初心者おすすめ作品はこれ! “聖地”で聞いたアメコミの基礎知識&楽しみ方>では初級編として、アメコミと日本の漫画界における違いや、初心者に向けたおすすめ作品などをお伝えした。
今回は中級編として、2大巨頭であるDCとマーベルそれぞれの特徴、さらに、両社以外のアメコミ出版社も紹介していく。
DCはご飯で、マーベルはパン!? それぞれの魅力
アメコミといえば、やはり真っ先に思い浮かぶのは「DC」と「マーベル」だ。ブリスターのスタッフ氏は、それぞれのイメージを「DCはご飯で、マーベルはパンのようなもの」と話す。
味わいの違う人気作品を数多く持つ両社だが、DCについては「重厚な物語が多い」という。
「DCは大人向けの長編ストーリーが多く、全体的な世界観としては、マーベルと比較するとダークなものが目立ちます。
ある作品に登場したヒーローやヴィランズが、別世界でも活躍するというのはアメコミの王道ではありますが、DCはとりわけそれぞれの関係性が濃い印象もあり、ひとつのキャラクターを知ると『次はこの作品を読みたい』と数珠つなぎに読み込んでいきたくなるような楽しさも味わえます。
お店では歴史の古さから、年配のお客さんも多く『DC一筋!』という声も多いです」(スタッフ氏)
海外ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』なども好調なDCだが、ヴィランズも含めたキャラクターたちの背景をより知りたくなるのも魅力のひとつだ。
一方で、マーベルは「背景が分かりやすく、子どもから大人まで楽しめる作品が多い」という。
「マーベルは全体的に雰囲気が明るくにぎやか、テンポのよい作品が目立ちます。タイムリー・コミックスの編集長を務めていたスタン・リー氏の功績が大きく、歴史をたどるとスパイダーマンなどの新しいヒーローを生み出した『新世代のアメコミ』と称されていてたこともあります。
相次いで映画化されていることからも分かるとおり、ヒット作品が多いのも特徴です」(スタッフ氏)
たがいに異なる世界観でしのぎを削り、アメコミの歴史を築いてきた2大巨頭のDCとマーベル。ちなみに、お客さんの感触から人気のキャラクターを伺ったところ「ヒーローでいえば、DCならバットマン、マーベルならスパイダーマンが人気です。ヴィランズ(悪役・敵役)であれば、DCではジョーカー、マーベルではヴェノムが人気ですね」と答えてくれた。