”友だち5000人”芸人のカラテカ入江さん。
その豊富な人脈作りの秘密が紹介されたカラテカ入江慎也の著作『後輩力』という本が話題になっていますが、興味深いのは「喫煙所は出会いの場」との持論。入江さんいわく、コミュニケーションツールであるタバコを吸う喫煙所には、この場所以外ではうまれえない独自の交流があるというのです。
愛煙家の皆様も、そうでない方も。
そんなカラテカの入江さんに、タバコをきっかけにしたコミュニケーション論について直撃してみました。 

タバコってコミュニケーションツールだと思うんです。

僕は愛煙家ですけど、吸ってる吸ってないは関係なくて、iPhoneと同じじゃないかなぁって。
iPhoneって、持ってる持ってないに関係なく、会話のとっかかりとして最高なんですよね。
持ってる人だったら、「あのアプリ、試してみましたか?」なんて話がふくらむし、持っていない人にだってiPhoneのどこを自分が気に入っているかを話すことができる。つまり、電話という話すツールとしてだけでなく、会話のとっかかりや盛り上がりとしてのコミュニケーションツールでもある。それとタバコってまったく同じだと僕は思っているんです。

たとえば、テレビ局などの喫煙所。

喫煙所だからこそ、それまで、あまり会話することのなかった先輩から「お前何年目だっけ?」とか「最近、誰と飲んでるの?」なんて話しかけられて、他愛のない話をさせてもらえるんですよ。これが、芸人仲間が集まっている楽屋だと、こうはいきません。けっこう、みんなが他の人の会話を聞いていますから、他愛のない会話というのが成立しにくい。

その点、喫煙所はちょうどいい距離感の個室ですからね。とっかかり的な他愛のない会話がしやすくて、コミュニケーションがとりやすいんです。だから、タバコを吸わない後輩にも言うんですよ。「お前が吸ってる吸ってないは関係ないから。最高の出会いの場である喫煙所に行かないで、どうすんの?」つって。
逆に、吸っている先輩とは共通の趣味を持っているようなもので、それだけで仲間意識のようなものが芽生えたりもします。たとえば、フットボールアワーの後藤さんも愛煙家なんですけど、よく喫煙所でお会いするんですね。初めは他愛のない会話からでしたけど、いまでは喫煙所で会うたびにお話ししていただけて、タバコから広がっていったっていうか。

”タバコ、あるある”とでも言うんですかね?
吸っている者同士だと、タバコにまつわるドラマや漫画のカッコいい仕草を真似したりするから、そのことが会話のとっかかりになったりもします。ドラマの一場面でひとつのライターにみんなで集まって火をつけるっていうカッコいいシーンがあったんすけど、大人になってから、初対面の人もいたのに真似して盛り上がったり。不良漫画でジッポと指輪をカチャカチャってして火をつけて、カッコよくタバコを吸うシーンが流行るとみんなで真似したりして。で、きっちり再現できるやつはちょっと尊敬されたりもするわけです。僕ですか? 不器用なんで、まったく真似できなかったです(笑)。