「微糖」ならではの繊細な機微を味わうべし

続いて「ブレンド微糖」。
なんとこの商品、5カ国のブレンドに加え、各豆4段階・計20種類の焙煎をしているとのこと。DyDoの焙煎スキル半端ない! アタリマエですが先ほどより甘さは控えめ。その分コーヒーの味がより強くアピールしてきますが、1本目のさっぱりとしたキレのような強い個性があるわけではなく、甘さと苦味のバランスの機微を味わう感じと言いましょうか。

“微”糖と言うくらいで、缶コーヒーの中であえて微糖を飲む人って、すごく繊細な嗜好性を持った人だと思うんですよね。なので突出した特徴を出すよりも、微糖ファンのツボをついたこの味わいをあえて狙ったんだとしたら、DyDo、おぬしなかなか侮れないのお……。

 

実はこれが本命!? リラックスできる「ゼロ」なブレンド

お次は「ブレンド砂糖ゼロ」。
砂糖ゼロ、つまりコーヒーとミルクのみの味わい。自分のように「ブラックは苦すぎるけど甘すぎるのもちょっと……」というわがままな人には、ミルクの柔らかさもありつつ、コーヒーの味もしっかり楽しめる最適な1本と言えそうです。

“微糖・無糖派”が増加傾向にあるというここ数年の缶コーヒーのトレンドにもハマりそう。「ゼロ」って健康志向の商品のシンボルでもあるので、イメージもいいですしね。厳選ブレンドならではの本格的な味わいはありつつも、どこか家で自分で作って飲むコーヒーみたいな、リラックスできる雰囲気を醸し出してるのが好感度大。と言うか、自分はこの味、相当好きです。いま缶コーヒー離れしてる人には、いちばんとっつきやすい味かもしれません。

 

濃密だけどすっきり飲める、意外性をもったラテ

最後は「ブレンドラテ」。
これ、最初の「ブレンドコーヒー」とは逆で、普通のカフェラテを想像するといい意味で裏切られるかもしれません。まず普通の同系列商品ミルクの存在感がかなり強めで、非常にクリーミーな印象。でも飲んだ後に感じるのは、主役はあくまでコーヒーというブレンドの存在感。ブレンドならではの複雑かつ深い味わいだからこそ成せるワザでしょう。

そう、今回の4本、ちゃんと「ブレンドである必然性」がしっかりあるのが偉い。基本すごくすっきりしてるのに、飲みごたえはしっかりある。このラテもまろやかでありつつ、すっきりと飲めるキレのよさが印象に残りました。

 


なるほど~。4本飲んでみて思ったのは、「缶コーヒーにできることを追求した」という方向性でのリニューアルなのかなということ。つまり変な背伸びをせず、缶コーヒーの持つ良さだったり可能性だったりを伸ばすことに注力したんじゃないかと。

具体的に言うと、本格的なブレンドの魅力を追求しつつも、あくまで「飲みやすさ」に焦点を置いているということ。缶コーヒーは一部の好事家の間だけで喜ばれる嗜好品じゃなく、たくさんの人に親しまれる存在でなければいけない、という缶コーヒーメーカーとしてのプライドと気合いを感じる味でした。自分はこの方向性、支持します。まあいくらコンセプトや話題性を押し出しても、結局味が良くなんなきゃ飲まれるはず無いですしね。