エヴェラウド(鹿島アントラーズ) (C)J.LEAGUE

11月14日(土)、川崎フロンターレの2年ぶり3度目の優勝はなくなった。それでも『明治安田生命J1リーグ』第27節の重要性は変わらない。22勝2分2敗と2位に勝点13差をつける川崎Fがどこまで数字を伸ばしていくか興味は尽きない。さらに中村憲剛が今季限りの引退を表明し、残された試合はどれも貴重である。そもそも川崎Fにとって消化試合はない。「前節よりも今節、今節よりも次節」と常に進化を求めている。鬼木達監督は「ひとつひとつ勝っていくことで成長していきたい。シーズンを通してもっともっと強くなっていきたい」と常々口にしているのだ。

11月3日の北海道コンサドーレ札幌戦は川崎Fにとって、ひとつのきっかけとなるだろう。札幌の激しいマンツーマンディフェンスに後手を踏み0-2で敗れ、12連勝で記録を止められたのだ。シュート数も札幌が上回り、完敗と言っていい内容だった。

2か月半ぶりの敗戦は、いい教訓となったはずだ。勝利するには自分たちのサッカーをやり切らなければならない。川崎Fのサッカーとは「自分たちからアクションを起こし、球際で負けない、運動量でも勝つ、攻から守を素早く切り替え再び攻める、相手の隙が生じるまで攻め続ける、そして決める」である。

次節の相手は自分たちのサッカーを測る絶好の相手と言える。鹿島アントラーズはスピーディかつ激しいプレスで川崎Fの自由を奪って来る。ザーゴ監督のもと、自らボールを保持して相手ゴールへ向かって来るのだ。しかも、鹿島はモチベーション十分である。現在15勝3分10敗の6位。来年の『ACL』出場権を目指している。いや、指揮官は「我々の目標は2位」とキッパリ。

勢いもある。前節の11月3日・横浜F・マリノス戦では2点のリードを許す苦しい展開ながら、前半の内に上田綺世がスピーディな飛び出しから1点を返すと、終盤にはエヴェラウドが見事なミドルシュート、遠藤康がドンピシャボレーを立て続けに決めて逆転勝利をもぎ取った。名門はここで首位を叩いて勝点を積み重ねようと鼻息は荒い。残り6試合中5試合をホームで戦う鹿島は一戦必勝を期す。

リーグ戦での直接対決を見ると、川崎Fが17勝9分7敗と圧倒。直近10試合でも6勝3分1敗と抜群の相性の良さを誇る。鹿島のホームでの勝利は2014年11月まで遡らなければならない。

果たして、鹿島が勢いを持続するのか、川崎Fが相性の良さを発揮するのか。『明治安田J1』第27節・鹿島×川崎Fは11月14日(土)・茨城県立カシマサッカースタジアムにてキックオフ。チケットはJリーグチケットにて発売中。DAZNにて生配信。