今秋、待望の新橋演舞場での再演が決定した『スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)ワンピース』。累計20万人を動員した作品の再演に際し、製作発表記者会見が行なわれ、主人公ルフィを演じる市川猿之助、脚本・演出を務める横内謙介、そして松竹株式会社取締役副社長の安孫子 正が登壇した。
安孫子副社長の挨拶では「初演の初日が終わった後、いつ再演しようかとすぐに考えた」と同作の勢いを感じる印象的なひと言が。「歌舞伎好きの人だけでなく、ワンピース好きの人、特に小中学生の来場も多く、幅広い層に観てもらうことができた。ぜひ多くの人に歌舞伎を知ってもらうきっかけになれば」と語った。
「2年前の会見時は、歌舞伎界と漫画界を敵に回すのではと思っていた。猿之助さんの原作未読発言もあり、「そんなこと言っちゃダメだ!」とまるでウソップのような気持ちでした」と会場を笑わせたのは脚本・演出を務める横内。初演では東京公演を経て、よりワンピースへの理解が深まったと語り、特に印象的だったことについて「東京では手下1、2としていたキャラクターに、大阪、福岡ではそれぞれ役名をあたえたら、役者たちがより輝きはじめた」ことをあげ、「東京公演後の練り直しが多かった分、東京で観てくれた人たちにまた観てもらわないといけないという気持ちがあった」と再演を喜んだ。
原作の尾田栄一郎から「何をやってもルフィにしか見えないから大丈夫」と言われたという猿之助は、今作について「再演ということになりますが、また新たなワンピースという気持ちで作っております。一度観た方は本当に同じ作品だろうかという驚きをもって、初めての方にはワンピースの世界を楽しんでもらえればと。ぜひ期待してください」と意気込みを語った。また特別マチネとして開催される、麦わらの一味に若手を抜擢した『麦わらの挑戦』ついては「これまで先輩である僕に支えられていた部分があると思いますので、僕がシャンクスに回ったときに、ルフィ役の尾上右近、そしてルフィを支える若手の彼らがどうなるかお手並み拝見ですね」と話した。
質疑応答では今作の演出プランについて聞かれ、「(主題歌を担当する)ゆずのステージからインスピレーションをもらっています。5月にゆず20周年のライブを見て刺激を受けたので、演出、最新技術を取り入れてみたいなと思っています」と語る場面も。歌舞伎で表現する新たなワンピースの世界。原作者も太鼓判を押すルフィとその仲間たちの冒険を、ぜひ劇場で体験してみてほしい。
公演は10月6日(金)から11月25日(土)まで。チケットの一般発売は10月公演分が8月20日(日)、11月公演分が9月18日(月・祝)より。