家長昭博(川崎フロンターレ) (C)J.LEAGUE

これが優勝への重圧か。川崎フロンターレのここ2試合は、評価が分かれることだろう。

同一シーズン90分間におけるJ1連勝記録は11月3日『明治安田生命J1リーグ』第26節で止められた。北海道コンサドーレ札幌のタイトなマンツーマンディフェンスに後手を踏み、主導権を握られ、ついには62・65分と積極的なプレスからのショートカウンターで立て続けにゴールを許したのだった。終盤、猛攻を仕掛けるも、GKの壁を崩すことはできず、0-2で12連勝はストップ。今季初の完敗であった。

続く11月14日・第27節は試合当日、新型コロナにより鹿島アントラーズの7人(13日にひとりが陽性判定、14日に6人が濃厚接触者に特定)が出場できない非常事態に陥った。鹿島はもちろん、川崎Fにとっても、メンタル的に難しい試合となった。そんな不安定な状況下でも、両チームはこれぞ上位対決というプレーを披露。互いに攻めの姿勢を貫き、1-1のスリリングなゲームを繰り広げたのだ。

この2試合を足踏みと決め付けるのは早計である。少なくとも鹿島戦の勝点1は前向きな結果と見ていいだろう。事実、試合後、鬼木達監督も「アウェイであったり、試合が行われるかどうかという本当に難しい精神状態の中で、勝点1だが持って帰れる。これをポジティブにとらえて次に向かっていきたい」とキッパリ。川崎Fがここに来て足踏みしているか否かは、次節に判断が委ねられる。

その第30節の相手は横浜F・マリノスだ。横浜FMは前節、問答無用の大勝劇を見せ付けた。ジュニオール・サントスがハットトリックを達成すれば、水沼宏太は1ゴール3アシスト、トップ下に入ったオナイウ阿道も4得点に絡む活躍を見せ、浦和レッズを6-2で粉砕。中2日という強行軍の中、3連敗を止めた。

リーグ戦での直接対決を見ると、川崎Fの14勝6分13敗とほぼ互角。前回は開始早々にマルコス・ジュニオールのゴールで横浜FMが先制するも、33分にハイラインの裏を突いた三笘薫が狙い澄ましたシュートを決めて前半の内に同点に追い付く。川崎Fは後半開始とともに小林悠と旗手怜央を投入し、さらにゴールへの圧力を高めると48分、大島僚太のクロスを家長昭博が押し込み逆転、50分には旗手のパスを抜け出した三笘が決めた。その後、横浜FMに反撃を許さず、川崎Fは貫禄の試合運びで3-1のまま試合を締めたのだった。

果たして、川崎Fが優勝へ王手をかけるのか、横浜FMが『ACL』へ向けて勢いを付けるのか。11月18日(水)『明治安田J1』第30節・川崎F×横浜FMは等々力陸上競技場にてキックオフ。チケットは予定枚数終了。DAZNにて生配信。