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10~12月期の連ドラも、おおむね折り返し地点に差し掛かった。初回視聴率22.2%(関東地区)と話題を集めた『南極大陸』は、2話以降、唐突なイベント発生と単純な解決のくり返しでドラマとしての深みが出ず、視聴率は第5話でついに13.2%まで落ちた。

一方、19.5%からスタートした『家政婦のミタ』は、エンターテイメント性とメッセージ性のバランスが良く、第5話では22.5%。すでに『南極大陸』の初回を超える視聴率を記録している。

そんな10~12月期の前半戦、ずっとモヤモヤした気持ちで見ていたドラマがある。フジテレビ系木曜10時に放送されている、菅野美穂と榮倉奈々のダブル主演作『蜜の味』だ。女優2人の相手役にはARATA。脚本は『ふたりっ子』『アフリカの夜』『ハンドク!!!』『功名が辻』『四つの嘘』『セカンドバージン』などの大石静。布陣としてはもう少しエッジが効いてもよさそうなのに、今ひとつハマれない状態で、視聴率も10%前後を推移している。その大きな原因が、榮倉奈々とARATAの“カツラ”だった。……といきなり言っても、見ていない人にはさっぱり分からないだろうから、先にドラマの内容を簡単に説明しておこう。

榮倉奈々が演じる直子とARATAが演じる雅人は、姪と叔父の関係。直子は小さい頃から雅人を兄のように慕っていたが、ある時を境に、男性として好きになってしまう。直子は、東京の大学病院で外科医になっていた雅人のそばで生きていきたいと願い、同じ医大を受験、見事に合格する。しかし、その時すでに雅人には恋人がいた。病理学教室の医師で才女、菅野美穂が演じる彩だ。彩は当初、雅人との結婚を急いでおらず、病理医としての研究を最優先にしていた。ところが、直子が上京してくると、急に雅人との結婚を望むようになる。彩は、直子が雅人に恋していることを、すぐに見抜いたからだったーー。

 

 

まあ、要するに、姪と叔父の禁断の恋と、直子・彩・雅人の三角関係をベースにした内容なわけだけど、問題はドラマスタート時から榮倉奈々とARATAがつけていたカツラだ。

それ自体は別に珍しいことではない。物語の進行上、途中で長い時間経過をはさむ場合、登場人物が最初にカツラをつけて出てくることはよくある。あとでカツラを取って髪型を大きく変えれば、時間経過を分かりやすく伝えられるからだ。

ただ、このドラマの場合、榮倉奈々もARATAもカツラがまったく似合ってなかった。とくにARATAは、違和感がありまくりだったのだ。いや、じつはそれもそんなに珍しいことではない。世の中のカツラ技術はかなり進んでいるはずなのに、なぜかドラマで使われるカツラは似合ってないことが多い。昔からの衣装部で用意されるとそうなってしまうのか、よく分からないが、とにかくドラマで変なカツラをつけていても、そんなに驚かないものだ。

じゃあ、なにがモヤモヤしていたかというと、そのカツラをなかなか外さなかったことだ。つまり、時間経過の展開がいつまでたっても訪れなかった。それがついに、ドラマも中盤を迎えた第5話の30分過ぎ、ようやく訪れたのだ。長かったなぁ。