BugLugの“新人生”の意味

一聖 武道館公演の前からシングルを出そうって話は決まっていたんですけど、その時点で制作を開始して、レコーディングして武道館前には終わってるってケースが普通だと思う。

もちろん曲は作ったんですけど、5月7日以降に全く違うものを作り直したら、それが一番良かったんです。武道館終わった直後の自分の気持ちとか感情を、素直に吐き出して曲にできたので。メンバーもそれに寄り添ってくれたので、『新人生』がリアリティのある作品になったかな、と思います。

 武道館公演には集中させてもらっていたので。シングル出すときに、一聖が武道館以降に思ったことを書いた方が圧倒的にいいだろうとは思っていたので。納期よりも、言いたいことをちゃんとベストな状況でやらせてもらえたのは大きいかな、と思います。

――今回の曲は、表題曲が一聖さんの事故での体験や考えが色濃く反映された曲だと思いますが、事故から現在までの1年間、一聖さんが特に自分が変わったと思うところはどこでしょう?

一聖 キリがなさすぎて……くだらないことしか思いつかなかった。前と変わったこと、「東京から一歩も出てない」。

一同 確かに~(笑)!

一聖 本当にどーでもいいことなんですけど。1年間以上東京から一歩も出てない自分がめっちゃ不思議(笑)。去年の1月くらいに47都道府県ツアーファイナルを迎えて「俺たちのホームは日本全国だ!」ってスローガン掲げてたにも関わらず、ずーっと俺、東京在住(笑)。なんか違和感。

優 何ならずっと病院いたしね!

――他のメンバーは、BugLugは今までとここが変わった、と思うところありますか?

燕 一聖がいない間4人で歌って全国まわって、4人でBugLugを守っていかなきゃいけない状況になって。今までは一聖が軸になって動いてたものが、いきなりいなくなったので、俺ら一人一人の意識が強くなったんじゃないかなと思いますね。

より一体感みたいなものが出た気はする。

一聖 確かにそこは、かなり変化を感じます。武道館やる直前くらいから、リハーサルやるたびにそう思ってた。バンドのことに関して話す機会も多くなったんですよ。普通の楽しい話ももちろん出来るけど、バンドについて本当にたくさん話し合っていて。初心に返ったかのような気分。

――新しいバンドをやっているような?

一聖 それもあり、BugLugの『新人生』なんですよ。

――なるほど。『新人生』では、元ギルガメッシュのЯyo Trackmakerさんがミックスで入られているということですが、新しい作業環境になられて、どんな変化がありましたか?

一樹 今までBugLugはセルフプロデュースで、サウンド面やアレンジに関しては自分たちのみで創り上げてきたんです。でも、5月7日に復活をしてからは新しいBugLug。サウンドも新しいものにしたいということで、昔から才能を買っていたЯyoにトラックダウンをお願いすることにしました。

「俺たちの想いは曲に詰め込んだから、そのサウンドをよりブラッシュアップしてほしい」とお願いして。そのために、ギターの録り方も今までと変えたり、歌のニュアンスも全然違うものになっているので……まさに『新人生』になっていると思います。