トライバルメディアハウスでソーシャルメディアコンサル事業を立ち上げ、ソーシャルメディア・マーケティングを手掛けた後、’11年4月にフリーランスとして独立したイケダさん。以降は、ブログ『ihayato.news』を中心に個人メディア活動を行なっている。元々、ソーシャルメディアを使った企業のマーケティングを専門としていたイケダさんだけあって、ネットを使い、自分をどうブランド化していくかということに関しては、かなり意図的に行なってきたという。

「たとえば、今の社会情勢下では、新しい働き方がテーマとして注目されていて、〈ノマド・ワーキング〉といった新しいキーワードも登場しました。こうした、新しいキーワード、自分が面白いと思うキーワードをブログに積極的に取り込むことで、セルフブランディングを図っています。ある意味、自身にタグを付ける感覚で情報発信することで、自然とそのテーマを自分のものにすることができるのです」

ブログで月に20万円稼げるようになるまで

イケダさんのセルフブランディングの軸となっているのが、ブログ『ihayato.news』だ。平日、休日を問わず、必ず5本の記事を更新することをノルマとしており、平均して毎日3〜4時間をブログ執筆に費やす。

「海外のニュースを中心に、面白い話題を紹介する記事がほとんどなので、1本の記事にはそれほど時間をかけていません。短い記事だと10分ぐらいで書ける。ただ、それだけだとライトな記事ばかりになるので、まとめの記事や、自分の意見を発信する記事も、いくつか入れるようにしていて、こうした記事には30分から1時間ぐらいは使っています」

今は講演やブログ以外での執筆の仕事の方が収益としては多いという状態だが、「ブログを更新することが自分の仕事」だと言い切る。講演や執筆、取材などで忙しい中、情報発信を続けている背景には、ブログというメディアの特性があるとイケダさんは明かす。

【ブログ「ihayato news」のページビュー推移】

新しいキーワードや、自身が面白いと思ったキーワードを積極的にブログへ取り込むことで、セルフブランディングを図っているというイケダさん。実際に「大学の必要性」や「ノマド・ワーキング」など、新しい価値観を提示するエントリーでは、多くのネットユーザーの関心を得ている。


「ブログは、ストック型の収益構造なんです。紙媒体とは違い、ブログでは検索で過去の記事にアクセスしてくれる人がかなり多い。仮に、今月僕がブログをまったく更新しなくても、過去記事だけで9万件ほどの閲覧数はあると思います。9万件のアクセスがあれば、広告やアフィリエイトの収益は月間で5〜6万円ぐらいになる。ストックされている記事が多くなればなるほど収益はさらに増えるでしょう。自分がネット上に蓄積した過去の資産にアクセスしてもらうことで、収益を上げるというのが僕のビジネスの形なので、毎日コンスタントに更新していく必要があるのです。畑を耕し、種を植えて収穫を待つ、農作業のイメージに近いと思います」