桜井日奈子(左)と神尾楓珠

 累計発行部数320万部を超える大ヒット少女漫画『マイルノビッチ』が、桜井日奈子と神尾楓珠のダブル主演で実写ドラマ化される。本作は、キノコ頭の地味で冴えない女の子が、神的メーク術を持つ毒舌イケメン男子のプロデュースで、キュートな女の子に大変身し、たくさんの恋に出会いながら、本当の愛を見付けるまでを描いたラブコメディー。恋愛経験ゼロの木下まいるを演じる桜井と、メークの達人・熊田天佑を演じる神尾に、役作りについて、見どころ、さらには2人の高校時代のエピソードを聞いた。

-お二人は、今回が初共演ということですが、互いについてどんな印象を持っていましたか。

神尾 僕は、まいるにぴったりな方だと思いました。バラエティー番組などでも活躍されている姿を見ていたので、コメディーシーンもきっとうまく演じられるんだろうな、と。実際に現場に入っても、積極的に臨んでいたので、すごいなと思います。

桜井 最初にご一緒したのが、ポスター撮影だったのですが、まいるが天佑にリップを塗ってもらうというポーズだったので、すごく至近距離での撮影だったんです。そのとき、どこを見てもきれいな顔をしているなと思ったのが、印象に残っています(笑)。見ほれてしまうお顔で、整っているから、無口な方というイメージがあったのですが、実際には結構しゃべってくれますし、一緒に作品を作ることができて楽しいです。

-撮影現場で主演者として意識していることはありますか。

桜井 ダブル主演として出演させていただいていますが、主役としてやれることって何があるだろうって考えても全然思いつかなくて…それで、私は人見知りなので、自分から話しかけるのは苦手なのですが、今回はできるだけスタッフさんや、ほかのキャストさんとコミュニケーションを取ろうとしています。それから、朝早い撮影でも元気に頑張ろうというテンションではいました。

神尾 僕は、あまり主演ということを気にしたことがなかったです(笑)。同世代が多い現場だと、「ご飯を食べに行こう」と声を掛けたりはするんですが、今回は新型コロナウイルスの予防という意味でもそれはできないので、何もできてなくて…(桜井に)ごめんなさい。

-では、それぞれの役柄について、原作や脚本を読んでどう捉えていますか。

神尾 冷たいけれど、本当は優しいという分かりやすいキャラクターだと思います。そこをきちんと表現できれば、天佑らしさが出ると思ったので、そこは意識しました。それから、その優しさの中にも“段階”があると思うので、いいあんばいで出せるようにということは考えました。

桜井 このドラマは、恋愛経験ゼロの冴えない女の子が、メークの力で、外見も内面も磨かれていくというお話なので、イケているときとイケていないときの変化が大きいと面白いと思いました。イケていないときは、すごく猫背にしてみたり、にじみ出るオタク感を意識していて、逆に、恋愛をしてキラキラしているときは、一生懸命さを大切にしようと心掛けています。

-天佑はメークが上手だという設定ですが、メークの練習はしましたか。

神尾 知識はある程度持っていないと駄目だと感じたので、メーク道具をスタッフさんにお借りして、それを持ち歩いて「自分はメーキャップアーティストになりたいんだ」という意識はしていました。ただ、練習台になってくれる方がいるわけではないので、実際に練習するのは難しかったです。

-自分で自分にメークはしなかった?

神尾 全く考えてなかったですが、でも、確かに普通は自分で試してみますよね(笑)。

-物語にちなんで、お二人が高校生のときに何か始めたことがあれば教えてください。

桜井 まいると同じように、私も高校生になってからメークをするようになりました。幼稚園から高3までずっとバスケをしていたんですが、高校生になってからは“女の子”っていうものを意識するようになって…。それまでは兄のお下がりのジャージーを着て、髪も天然パーマで爆発した状態でアフロって呼ばれていたくらいだったんです(笑)。でも、高校生になって、部活が終わったらコテを使って髪を巻いたりするようになりました。

神尾 僕も高校生になって、ヘアセットするようになりました。周りの影響もあったと思いますが、セットしないで学校に行くと「寝坊したの?」って言われてしまうので、僕も一応、アイロンとかを使ってセットしていました。今は、オフの日は全くしていないですが…。

-まいるは天佑を神様とあがめていますが、お二人にとっての“神様”は?

神尾 THE YELLOW MONKEYの吉井和哉さんです。ずっと好きなんです。曲もいいんですが、やっぱり吉井さんがめちゃめちゃ格好いいんです。先日、ライブに行かせてもらって、お会いしてごあいさつさせてもらったんですが、めちゃくちゃ格好良かった! しかも、僕が「イエモンファンだ」ってずっと言っているので認識してくださっていて!

-吉井さんから、どんなところを学びたいですか。

神尾 色気です! ただ、一生頑張っても勝てないです、僕は。ほうれい線、ないですし…。

桜井 ほうれい線に色気を感じるの?

神尾 感じる。吉井さんは若いときからあるんですよ。多分、骨格によるんだと思いますが、僕にはそれがないので勝てないです、一生。でも、お会いできて、死ぬほどうれしかったです。

桜井 私は事務所のチーフマネジャーさんです。芸能界に入って、今まで、何も知らなかいところから育ててもらいました。デビュー当時に「自分の可能性を広げるのも挟めるのも自分だよ」と言われたのですが、それは今でもよく覚えています。

-ドラマの見どころを教えてください。

神尾 天佑のせりふには格言的なものが出てきます。それは、大人になると当たり前のことかもしれませんが、高校生の天佑がそれを伝えられるというところに天佑の良さが出ていると思うので、そこを見てもらえたらうれしいです。

桜井 メークの力でどんどんかわいくきれいになっていくまいると、その周りにいる豊かな仲間たちに笑わされたり、時にはちょっとホロッときたりできるドラマになっていると思います。天佑の格言は、恋愛だけでなく、いろいろなものに通じるものがあるので、きっと背中を押してくれます。何かを始めようと思っている人に見てほしい作品です。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 Huluオリジナル「マイルノビッチ」は2月12日(金)からHuluで独占配信。