映画館から“温かいもの”を持って帰ってもらえると思う(草なぎ)

太田が映画のメガホンをとったのは、91年の『バカヤロー! 4 YOU! お前のことだよ』への参加以来2度目のこととなる。

撮影:稲澤朝博

「でも、『バカヤロー!』のときはまだ27歳だったし、本当にペーペーだったから、現場でもあたふたしていて、よくイジメられましたよ。いや、そんなことはないけれど(笑)。

製作総指揮と脚本を担当された森田芳光監督のスタッフの方々から、分からないことをいろいろ教えてもらいながらやったあのときと違って、今回は妥協せず、“ここはもう1回やった方がいいな”と思うときはテイクを重ねるようにしているので、自分が撮りたいものが撮れているような気がします」

撮影初日のこの日は、息子役の子役が投げるボールを尾野がキャッチャーミットで受けるシーンと、このパートの終盤にあたる夫婦のシーンの撮影だったが、太田は早くも手応えを感じたようで、「さっきモニターを見ていて、剛くんがすごく大人の表情になって、カッコいいなと思いましたよ」と打ちあける。

「それこそ、俺の中では名画を観たなという感覚になっていて。後はここに向かって撮っていくだけだから、これは期待できます。全米が泣くんじゃないですか?(笑)」

そう冗談っぽく自信を覗かせた太田監督だが、そこは草なぎが「タイトル通りハチャメチャな映画ですけど、最後は映画館から温かいものを持って帰ってもらえるものになると思うので、楽しみにしていてください」とビシッと締めくくった。

果たして、それぞれ単独のエピソードで主演した3人は、気鋭の映像ディレクター・児玉裕一がメガホンをとる最終話のepisode4『新しい詩』にどんな装いで集結し、クソ野郎★ALL STARSとどんなスパークを見せるのか!? お楽しみはこれからだ。

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  • 撮影:稲澤朝博
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映画ライター。独自の輝きを放つ新進の女優と新しい才能を発見することに至福の喜びを感じている。キネマ旬報、日本映画magazine、T.東京ウォーカーなどで執筆。休みの日は温泉(特に秘湯)や銭湯、安くて美味しいレストラン、酒場を求めて旅に出ることが多い。店主やシェフと話すのも最近は楽しみ。