本当ですか!? ありがとうございます。
実は稽古場では、最初から最後まで通しで演じられたのは、1回だけで。その次に通しをしたのはゲネ(※公演直前、本番同様に行われるリハーサル)のときだったんです。
それで今、本番が始まって。本番が始まって、稽古のときと変わったと思うのは、触れ合うというか“くっつく密度”が、すごく増えたなって。
稽古中は、触れ合ったりはしていたけど、本番になって、メンフィスと接していたら、“ここで肩を持たれたい”“ハグがしたい”“触れたい”っていう感情が、日ごとに生まれてきて…。だから多分、初演のときより“くっつく密度”は、それぞれの役で増えていると思います。
なので、観ている方にとっては余計に、“こんなに密着してる場面あったっけ? ”って、思っていただけたのは大成功だと思います。
ーー肉体的な距離感がより近くなっていくと、“この2人は引かれ合ってるな”とか、離れていると“まだ引かれ合ってないんだな”とか。心理的な距離が目で見て、より分かりやすくなったのかもしれませんね。
特にイズミルとのシーンはそうかもしれませんね。なぜかというと、原作ではイズミルがキャロルを好きになるまでの時間って、もっと長いんです。
ーー舞台だとそれを短時間で表現しなければならない。
そうですね。人を愛することを知らないイズミルが、よく分からない金髪の女の子を、自分でもなぜだか分からずに好きになって恋に落ちてしまう。
コミックの中だと長く描かれている部分を、舞台上でいかに観せるか。イズミル役のお二人も、再演ではさらにお芝居を作り上げてきてくださって。
だから私も、イズミルがキャロルを思って歌えるように、気を強く見せたり、でも、ふとした瞬間にかわいらしい姿を見せたりして。その落差でドキッとさせたいとか。
イズミルが、“何なんだ? 金髪のこの娘は?? なぜか興味を持って惹かれてしまう…”という感情を、出会った瞬間からイズミルに持たせたいと思っていて。私としては、すごく意識している部分でもあります。
新しい振り付けでも、イズミルとキャロルが密着しているシーンを増やしてくださっているので、観ている方にはより伝わりやすくなったと思います。
再演では、ライアン兄さんや、セチやウナス、ナフテラさんやミヌーエ将軍と、キャロルの側にいてくれる人との距離感も、すごく大切にしているんです(第21回)。でもそれと同じくらい心がけている部分です。
ーー確かイズミル役のお二人も、初演のときはキャロルに恋に落ちる様子をいかに表現がするか。そこが難しいと言われてましたよね。
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