日常の中のさまざまな場面で感じる「吐き気」。大人はもちろん、子どもが吐き気をもよおすと、やはり心配になってしまいますよね。

そもそも、私たちはどうして気持ち悪くなるの? 吐き気を和らげる方法ってあるの? 今回はそんな疑問を紐解いていきましょう。

吐き気ってどうして起きるの?

吐き気は、食中毒やウイルス感染症・消化器官の疾患や心筋梗塞や脳腫瘍など、さまざまな疾患が原因となって起こる場合もありますが、暴飲暴食による胃の疲れや乗り物酔い、悪臭、妊娠によるつわりなど、一過性の原因により吐き気を感じることもあります。

吐き気にはどんな種類がある?

吐き気の種類とは?

食べすぎ・飲みすぎ

食べすぎ・飲みすぎで胃に負担がかかると、胃の粘膜に炎症が起き、痛みや胸やけ、吐き気などが起きます。

また、アルコールを飲みすぎることによって、肝臓がアルコールを分解する過程でできる有害物質・アセトアルデヒドの解毒が間に合わなくなり、防御反応として吐き気、嘔吐が起きることもあります。

ストレス

ストレスによって自律神経が乱れると、症状の1つとして吐き気が起きる場合があります。

乗り物酔い

乗り物に乗っているときは、上下左右の揺れ、カーブや回転、速度や加速度などの変化を、内耳の器官が感じとって脳に伝えています。

しかし、人によっては異常な刺激と感じることがあり、 その結果、自律神経のバランスが崩れ、吐き気や冷や汗、頭痛、めまいなどが引き起こされます。

三半規管や脳の働きが未発達な2歳頃までは乗り物酔いはしないと言われていますが、成長過程の子どもは視覚情報と平衡(へいこう)感覚のズレを感じ、小学校入学頃から乗り物酔いの症状が見られるようになります。

高学年になるほど増える傾向にあり、特に小学校高学年から中学生にかけて多くみられます。

感覚のズレは成長に伴い慣れて治まっていくそうですが、成人でも4人に1人が乗り物酔いで悩んでいると言われています。

妊娠(つわり)

妊婦の多くが経験する妊娠初期のつわりは、朝の空腹時などに胸のむかつきや強烈な吐き気におそわれます。もちろんそれ以外でも、ホルモンのバランスの変化や心理状態によって、吐き気などを感じることもあります。

多くの人が経験するつわりの症状は?

薬の副作用

抗がん剤、モルヒネなどの医療用麻薬など、さまざまな薬の副作用として吐き気が起きる場合があります。

悪臭や煙、タバコの吸いすぎ

乗り物で感じる不快なニオイは?

不潔な場所や排気ガスの不快なニオイで嗅覚が刺激されると、 吐き気を感じることがあります。また、タバコを吸いすぎると、ニコチンなどの有害物質によって吐き気が引き起こされます。

ご紹介したように吐き気が引き起こされる原因はさまざまですが、できるだけ吐き気を抑えるためには事前の対策が重要です。

多くの場合、薬で対応することが多いかもしれませんが、それ以外にも酔いや吐き気はあるツボを押すことで症状が軽減されることがわかっています。

乗り物酔いを和らげる“ツボ”

WHOの定義ではツボは全身に361個あり、乗り物酔いに効くツボもあります。

乗り物酔いで気持ち悪くなったら押すとよいと言われるのが、足の内側のくるぶしにある「築賓(ちくひん)」。

めまいや頭痛、耳鳴りなどに効くのが、足の薬指と小指の付け根の間の「侠谿(きょうけい)」。

内耳の平衡感覚と関連するのが、耳たぶの裏の骨のでっぱったところと耳たぶの間のくぼみにある「翳風(えいふう)」です。

乗り物酔いに効くツボの場所