【浮気調査】法科学のプロに聞く最新事情! もう言い逃れはできない!?（5/5）

最近、彼氏や夫の行動が怪しい…そう察知した女性が探偵業者に依頼する「浮気調査」。現在、科学分析を利用したそれはどこまで進んでいるのでしょうか。そして、浮気・不倫の動かぬ証拠をつかめる“DNA検査”の実際とは？法科学の最前線にいるプロフェッショナルから、その驚くべき最新事情を聞きました。

科学分析のお値段は？頼み方は？

見ていただいた通り、こうした手法は従来とまったく違った視点から高精度な“不貞の証拠”を発見する有用なツールだ。しかも私たちが個人で依頼することもできる。

気になる依頼方法や料金、注意点などを櫻井氏に聞いてみた。

法科学鑑定研究所に依頼する場合、ホームページに記載されている連絡先に電話またはメールすれば受け付けてくれる。今のところ弁護士事務所からの紹介が多いが、それらを通さなくても別に問題ないとのこと。調べたい鑑定品は郵送しても、研究所へ直接持ちこんでも構わない。

先ほどはワイシャツと下着の例を出したが、分析の対象になる物品は幅広い。櫻井氏によれば「シャツにパンツ、毛髪、タバコの吸い殻、口を付けたジュースの容器、ベッドのシーツなど大抵は調べられますよ」という。それよりも重要なのは、鑑定品の“保存状態”だそうだ。当然、浮気から半年経ったワイシャツよりも、浮気直後のワイシャツを洗濯せずすぐに持ちこんだほうが精度は格段に高まる。

以下に、鑑定品の上手な保管方法をまとめる。

・新しければ新しいほうが良い
・ジップロックなど密閉できる容器で保管する
・保管温度は4℃がベスト。冷蔵庫での保管を推奨（冷凍はNG！）
・郵送する際も低温を維持できるクール便がおすすめ

こうして法科学鑑定研究所に届いた鑑定品は平均3週間ほどで分析を終え、詳細なデータと解説がセットになった報告書として依頼者へ届けられる。もちろんこの報告書は法的な効力を持った証拠として使うことも可能だ。

料金は鑑定品の種類、大きさ、保存状態などによって変動する。大きくなるほど検査範囲が広がり、料金は高くなる。また保存状態が悪ければ検査時に手間がかかり、やはり値上がりする。何より「保存状態は鑑定の精度にも直結します。あまりに見込みが薄いときは最初に断らせてもらうこともあります」という。先に紹介した保管方法を参考に、ベストコンディションで鑑定品を持ちこみたいところだ。

ちなみに例として挙げたワイシャツ＆下着の検査費用は、およそ15万円。これを高いとみるか安いとみるかは人それぞれだろう。興信所に素行調査を頼んだら1日や2日で（たとえ空振りでも）15万は飛んでいくので、そう考えれば記者的には「意外に良心的な価格設定だな」と思えた。

日本もいずれ科学分析が身近な時代へ

櫻井氏が「まだこうした手法は日本ではあまり知られていませんね」と語るとおり、科学分析が浮気調査の有用なツールになると知る人間は少ない。今のところ依頼してくるのは弁護士から紹介された人や、理工系の知識に明るい人に限られている。

だが研究者としてアメリカ滞在経験が豊富な櫻井氏によれば、やがて日本も浮気調査などで、科学分析が広く使われるようになる可能性は高いそうだ。「裁判案件が日本の50倍あり、証拠を重視するアメリカではこういうやり方（DNAなどを直接調べる）がほとんどです。特に東部のニューヨークはその傾向が強いですね。ニューヨークは独身者が世界一多い街なんですよ。男女の恋愛に絡んだトラブルが多発していて、独身だから自由になるお金もあって調査依頼をしやすい。日本も独身傾向が強まっている上に、弁護士が手がける案件の幅も広がってきていますから、いずれニューヨークと同じようになっていくと思います」。

そうなれば依頼者にとっても料金面でメリットが生まれる。「まだ依頼料金も高めですが、科学分析が一般化してきたら専用の作業ラインを設けてコストダウンすることができます。今は15万円かかる案件も数万円で受けられるようになるでしょうね」という。

職人による素行調査から、科学者による分析へ――スパイ映画や刑事ドラマでしか見たことのなかったようなアプローチで“浮気調査”を気軽に頼める時代は、もうそれほど遠くないのかもしれない。

【関連サイト】
・法科学鑑定研究所公式サイト

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