狂気のヴィランに共感させる見事な世界観

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クルエラの特徴はその風貌と、狂気性。

あまりの狂気性に、オリジンを描かれると言ってもとても彼女の気持ちを理解できそうにありません。

しかし、クルエラは魔法や特殊能力を持たないヴィラン。

魔法を使わない彼女を実写でしっかり描いていくことで、存在がリアルになっていきます。

そして、彼女の動きを盛り立てるのが、1970年代のロンドンという舞台設定です。

パンク・ムーブメント吹き荒れるロンドンの空気がクルエラの思想や行動を後押ししていきます。

物語は、後にクルエラとなる少女エステらの厳しい幼少期から始まります。

厳しい生い立ちを乗り越え成長し、ファッションデザイナーを目指すエステラは、なぜクルエラに変貌していくのか。

エステラは最初から狂気の人物ではなく、ロックの数々とスパイアクションのような展開と共にクルエラへと変貌していきます。

彼女の境遇と時代の空気が組み合わさり「クルエラ」が完成されていく様子に、あの狂気のヴィランが誕生する瞬間とは思えないほど没入させられます。

演技、音楽、ファッションの美しさ…そして犬が可愛い!

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クルエラというアイコニックなファッションのキャラクターを、世界観の中で醸成していくには、登場するあらゆるものが洗練されていなければなりません。

それを可能にしたのが、エステラからクルエラへの変貌を演じ切ったエマ・ストーンと、彼女に大きな影響を与えるカリスマデザイナーのバロネス役のエマ・トンプソンです。

彼女たちの魅力的な姿と、暗い中に反骨心のあるロンドンの街、ロックの名曲が組み合わさり、見事な世界観が生まれています。

美しいファッションも欠かせません。

エステラの次々に変わるファッションは、美しいながらも徐々にクルエラとしての狂気も感じさせていく装置になっています。

そして何より、犬が可愛い!

『101匹わんちゃん』でおなじみダルメシアンはもちろん、みんなとにかく犬が可愛い!

クルエラの日本語吹き替え版を演じた柴咲コウさんも好きなシーンを聞かれて、犬関連シーンを連続で挙げたほど。

可愛く賢いわんちゃんたちが大活躍! ですが、クルエラにとって犬は後に自身を滅ぼす存在です。

そんな運命を感じさせ、こんなに可愛い犬たちどうなっちゃうのと不安も漂いながら、でもやっぱりとにかく犬が可愛いです。

『クルエラ』
2021年5月27日(木)劇場公開
2021年5月28日(金)ディズニープラス プレミアアクセス公開※追加支払いが必要

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