「傷つくのは嫌」だから恋愛できない
⇒20代・30代の「草食化」加速中
国立社会保険・人口問題研究所「出生動向基本調査」より
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恋愛のスタートラインにも立てないでいる20代・30代。そこには「傷つきたくない」という思いが隠されている。
「自分から告白してふられて、ツラい思いをするくらいだったら、好きな人ができても告白しない。そんな風に、恋愛に踏み出せずにいる人は増えているように感じます。特に男性はこの傾向が顕著。これまでの世代であれば、失恋も経験のうち、次の恋愛の肥やしになるという風潮がありました。ところが、彼らにとって失恋はただの失敗。だから、積極的にアプローチできずにいるのです」
このマインドが「草食男子」を生み出していると犬山さん。また「肉食女子」と言われることもある20代・30代の女性も、恋愛に積極的になりきれないでいる。
「彼女たちが学生時代の90年代はギャル文化全盛期。強い女性がモテる時代でした。ところが、今はアイドルブームに代表されるように、処女性が求められる時代。“ 肉食女子” なんて言われても、女性から積極的にアプローチすることも難しいムードがあります」
「ウザい」「痛い」といった言葉に表されるように、子どもの頃から空気を読むことを求められてきた20代・30代。恋愛でも、周囲からどう見られるかを気にして、なかなかアクションを起こせないでいると言う。
なぜ、彼らはここまで「傷つくこと」を恐れるのか? その理由を犬山さんは「低すぎる自己評価」にあると話す。
「かつては、勉強や容姿など、なんでも順位付けされる世の中でした。ところが、現在では順位付けすることはタブー。ナンバーワンよりも、オンリーワンを求められる時代です。恋愛市場での自分の価値が見えづらいために、適正値よりも低く見積もる人が多いのです」
この低すぎる自己評価が、彼らが恋愛に積極的になりきれない原因だと言う。
「たとえば、気になる相手ができたときにも“これはうまくいくぞ!”と思わないのが20代・30代。自己評価が低いために、恋が成功することをイメージすることができません。“ダメだったらどうしよう”とマイナスから恋愛がスタートするのです」