自分の子ども時代に夢中だったものを、現代によみがえらせて
『ダンボール戦機』はロボットアクションゲーム。LBXと呼ばれる小型ロボットでライバルとバトルし、新しいパーツでLBXを強化していくことになる。自分のアイデア次第で多彩なロボットを作ることができるというのがポイントだ。2011年3月にアニメが先行して展開。原作となるゲームが3ヵ月後に発売され、こちらも人気シリーズとなっている。
「『ダンボール』は遠い昔に作った企画だったんです。子どものころ僕は『ミクロマン』という可動フィギュアが大好きで、今の子どもたちにもあの面白さって通用するんじゃないかと考えたんです。ストーリーとしては、『ショウとしてのカッコよさ』を大事にしています。子どもたちが小さなロボットを操作して世界をかけた戦いを行う。そういうドラマチックなステージを用意しておいて、LBXのカッコよさを魅せるショウとしてドラマを描く。そうすることで『ダンボール』のカッコよさを伝えていきたいと考えていました。これも『イナズマ』のようなクロスメディア展開をしようと考えていたのですが、同じようにやったのでは面白くない。そこでリアルとつながっているようなものになるように、手に持てる『プラモデル』とのコラボレーションをしました。ゲームやアニメの中ではヒーローのロボットが、実際にゲーム中と同じ大きさで自分の手の上で遊ぶことができる。そういうリアルな展開にしていこうという狙いがありました」
クロスメディアするときは、とことん話し合ってわかりあう
どちらの作品も共通していることは、クロスメディアをうまく仕掛けていること。ゲーム、アニメ、コミックなどがうまく相互補完することで、初見のファンにも間口が広く、濃いファンはより深く、作品を味わうことができるのだ。
「いろいろなメディアをまたぐことで、各分野の優れた才能とコラボレーションができるところが良いですね。『イナズマ』のときに、初めてアニメ業界の人と仕事をしたんですが、正直言うと最初はなかなか溶け込めませんでした。向こうは『ゲーム業界といってもなんぼのもんじゃ』と思っているし、僕らもやりたいことをうまく伝えられずにいた。業界同士の対抗意識みたいなものを微妙に感じていたんです。でも、粘り強く自分たちがやりたいことを正直に伝えていくことによって、それぞれの得意分野がわかり、うまく力をあわせる部分を見つけられたんです。その結果、アニメのスタッフだけで作るよりも面白いアニメになったし、ゲームのスタッフだけで作るよりも面白いゲームになりました。いまではひとつのチームになれたし、『イナズマ』の秋山(勝仁)監督は友人としても、仕事相手としても信頼できる関係になれたと思っています。やはり(クロスメディアには)正直にぶつかって、相手に納得してもらうまで議論を重ねることが大事なんです」











