心身のこわばりを解き、余裕を持って本番に臨む
メンタルを鍛える思考習慣 [ https://ure.pia.co.jp/articles/-/10779 ] を学んだあとは、本番を楽しみ、結果を出すためのメソッドを押さえておきたい。特に、誰もが多かれ少なかれ感じる「緊張」への対処法を知っておけば、それ自体が安心感につながり、普段通りの力を発揮することができるだろう。
「6つのポイントとともに、本番前には『体をほぐす』ことも大切。体が冷えると動きがギクシャクするし、表情もこわばります。ストレッチで体のこわばりを解くことは、心のこわばりを解くことにつながります」(和田裕美さん)
また、大切な場面で人に話をしなければならないときに、ありがちな失敗として「つい早口になって、相手の理解を得られない」というものがある。和田さんによると「話す方より、聞く方が10倍頭を使う」。相手の理解度に合わせて、丁寧に話さなければいけないところだが、緊張感で「早く終わらせたい」という意識が働いてしまうという。
「単純なことですが、緊張しているときに “早口になっていないか?”と自問することが、かなり有効です。早口になっていたら、そこでひと呼吸置くなり、水を飲むなりしましょう。その後、少しだけ話すスピードを落とすと、むしろメリハリが利いて、印象に残る話し方になることもあります」
仕事でもプライベートでも、「場数」を踏んでいくことで、自然と最適な行動が見えてくるもの。慣れないうちは、自分を見失わないためのメソッドをしっかりと守り、その場の空気や相手の反応を感じる余裕を持てるようにしよう。
1.本番前の儀式を持つ
本番を落ち着いて乗り切るためには、その「きっかけ」が必要。お笑い芸人が「はいはい、どうも~」と、手を叩きながらステージに上がるように、あるいはイチローが決まった手順で打席に入るように、自分だけの“ 儀式” を持っておくといい。
ちなみに、和田さんが講演をする際には、
1. 資料を演台に置く
2. 深呼吸をする
3. 笑顔で会場を見渡す
4. 大きな声で『こんにちは』
5. お辞儀をする
6. もう一度笑顔
をルーチンにしているそうだ。
2.最初と最後の「5分」だけ集中する
プレゼンテーションにおいても、営業トークにおいても、最初の5分で「ああ、ダメだ」と思ってしまうと、そこから挽回するのは難しい。そのため、最初は努めて笑顔で、かつ無理のない話題から入ることを心がけたい。
また、話が少し中だるみしても、最後の5分できれいにまとめることができれば、印象は悪くならない。「最初と最後だけ集中すればいい」と考えれば安心感が生まれ、全体として落ち着いて話すことができる、というメリットも。