実力や経験に大きな差はなくても、結果が出る人と出ない人がいる。その違いは、いったいどこにあるのだろう? フルコミッション営業で世界2位の成績を上げた営業ウーマンで、「本番力」を提唱する和田裕美さんに、差がつくポイントを聞いた。
「失敗」への怖れが本番力を低下させている
大事な場面で実力を発揮することができず、「どうしたら本番に強くなれるのか」という悩みを抱えている人は、決して少なくない。フルコミッション(完全歩合制)営業の厳しい世界で、世界2位の成績を上げた和田裕美さんのもとにも、日々多くの若手ビジネスパーソンが相談に訪れる。そんな人々の特徴は、「失敗を過剰に怖れていること」だと言う。
「自分の考えは間違いじゃないか、こんなことを言うと嫌われるのではないか……と慎重になるあまり、自分を主張したり、未知のことにトライしたりする勇気が持てない。だから本番で追いつめられて、普段の力が発揮できないのです。奥ゆかしさは日本人の美点ですが、“前に出るべきときに前に出る”という覚悟がなければ、本番で結果を出すことはできません」
失敗したときのリスクを高く見積もると、どうしても「無難に済ませよう」という意識が働いてしまう。“全力でやってやろう”と思い切る度胸をつける方法とは?
「第一に、失敗をマイナスに捉えない“陽転思考”を身につけることです。人の命を預かる医師やパイロットでもない限り、失敗してもすぐに取り返せるものがほとんど。引きずるのは自分だけです。失敗から学び、そのことに感謝する思考習慣を身につければ“最終的にはすべて自分の力になるんだから、思い切って飛び込もう”と考えられるようになります」
あえて「アウェイに身を置くこと」も重要
また、本番を乗り切るメンタルの強さを手にするためには、あえて「アウェイに身を置くこと」も重要だ。「本番も場数を踏めば日常になる」と和田さん。例えば、多くの人が集まるパーティや交流会に誘われたときに、「人見知りだから」「自分なんかが行っても……」と、二の足を踏んでしまうことはないだろうか。
「そうして気心の知れた仲間とばかり会っていると、自分に優しい環境=ホームでしか力が出せなくなってしまいます。嫌なことを無理にする必要はありませんが、少しでもワクワクする気持ちがあれば、未知の環境に飛び込んでみる勇気を持ちましょう」
本番に強い人は、どんな思考習慣を持っているのか――。次に、和田裕美さんの分析による6つのポイントを紹介する。さっそく日々の生活のなかに取り入れて、成功を勝ち取るためのメンタリティを手に入れよう。