お子さんのことが大好きで仕方の無いお母さん。可愛いらしいお子さんの姿も愛おしいですが、逞しく育って立派な大人になって欲しいという願いもありますよね。
今回は、お子さんが、「本番に強くなる」ためのお話です。
お子さんのライフイベントのなかでいくつもある「本番」。例えば、運動会・学芸会の本番や、習い事であるピアノの演奏会、また、スポーツなら公式戦がそれにあたるでしょう。
そこで親がどのようにアドバイスするかで、本番に強くなるか、また、弱くなるのかのターニングポイントとなるのです。
皆さんは、お子さんが本番を迎える前に、どのようにアドバイスしていますか。ひょっとすると、「大丈夫だよ」「全然緊張していないよ」「落ち着いてね!」「平常心でね!」なんて、声かけをしていませんか。
実はコレ、お子さんにとって逆効果なんです。
メンタルトレーナーの森川陽太郎さんの書籍『本番に強い子の育て方』によると、「緊張している」「焦っている」「恥ずかしい」といった自分の感情に向き合わずに、「緊張していない」「落ち着いている」「大丈夫」などと、実際の感情にフタをしてはいけないのです。
それよりも大切なのは、「緊張したけど、できた」「あわてたけど、できた」という体験の積み重ね。緊張していることを受け止めた上で、実力を発揮する。それが、子どもの逞しさに繫がるのです。
では、具体的にどのように接すれば良いのでしょうか。同書にその一例が紹介されていました。
本番前とはつい、当日、自分がどのように表現するか、また、プレイするのかを想像していまいます。しかし、その多くは自分にとって都合の良い結果ばかりを想像してしまいますよね。
同書ではある小学6年生が登場します。地元のサッカークラブに所属し、ポジションはFW。エースストライカーです。
そんな彼は、自身のチームがうまくいっている時には素晴らしいプレイを見せるのに、これが一転、劣勢になった時にはすぐに試合をあきらめてしまうのです。
それどころか、どんどん不機嫌になってチームメイトを罵ることも。これは困りもの。
彼はチームのエースストライカーです。彼がそんな状態だと、ひっくり返せる試合も負けてしまいますよね。ある試合でも0-5と大敗してしまったそう。
毎日、コツコツと練習を重ねていたにも関わらず、本番でその力が発揮できない。むしろ、自分にとって都合の悪い状態になってしまうと、途端にやる気を失ってしまう。これではよくありません。
劣勢になると自分にボールがまわってこなくなり、シュートも打てないのでイライラ…。「どんどんいつもの自分じゃなくなっていく」感じがしたそうです。
実は彼、試合前にお父さんと一緒にイメージトレーニングをやっていました。
そこで思い描くのは、パーフェクトな自分の姿。どんな強い対戦相手でも、いつものように仲間からパスをもらいゴールを決める。そんなイメージを強くもって試合に挑んでいたのです。