今や世の中でもスタンダードになりつつある中学受験。名門の私立中学校をはじめとして、国立大学の付属中学校、公立の中高一貫校など、選択の幅も広がって来ています。

そんな世の中の動きを受けて、家庭内でも中学受験についての話題が上がるのはごく自然なこと。

そしていざ、中学受験をさせる!となったら、やはり志望校に受かってほしいと思うのが親心です。

実は中学受験は、親の言動が大きく影響するもの、ということをご存知でしょうか?親の行動習慣一つで、子どもが中学受験に失敗してしまう可能性があるとしたら…。

今回は、理数系専門塾エルカミノ代表である村上綾一さんの著書『中学受験で成功する子が 10歳までに身につけていること』より、中学受験を目指す子を持つ親がしてはいけないNG行動を紹介します。

子どもの大事な人生の分岐点、親自身が後悔しないために心得ておくべきこととは?

1: 先取り学習をさせてしまう

多くの知識を身につけておかねばならない中学受験。子どもに自信をつけさせるためにも、覚えておくべきことを先々と学習させたいと考えているママは多いはずです。

しかし、著者である村上さんは、むしろ先取り学習は逆効果であると提言しています。

中学受験に必要な能力は「思考力」。その思考力を養うためには、先取り学習で知識を詰め込んだり、最初から方程式を教えてしまうよりも、算数や国語に関する基礎を繰り返し反復させることで、思考することへの確かな力を身につけさせることが正しい学習の順序であると村上さんは言います。

思考力を養うせっかくの機会を、方程式を教えることで奪ってしまうのはやめましょう。出典(『中学受験で成功する子が10歳までに身につけていること』著・村上綾一)

効率化された方法を先に教えてしまうのではなく、まずは子ども自身がじっくりと取り組み、問題への読解力や思考力を身につけさせるようにしましょう。

2: 周囲との競争を避けてしまう

大人だって仕事などに関して、周囲の能力や成績が気になってしまうように、子どもだって周囲の様子が気になってしまうもの。受験を控える子どもとなればなおさらです。

そんな時、ママは子どもの平常心を保とうと過度に周囲を意識させないようにしてしまったり、逆に子どもの頑張りを期待して競争心を煽ったりしてしまいがちです。

しかし、それはいずれも逆効果なのだそう。

他者を意識して、足を引っ張るような競争をさせてはいけません。他者を意識することが、「すごい」という思いから起こるような競争心を育ててください。出典(『中学受験で成功する子が10歳までに身につけていること』著・村上綾一)

と村上さんが言うように、自分から誰かに負けたくないという気持ちを持つことは子どもの伸びにつながっていきます。

しかし、子どもが競争に負けて悔しい思いをしている時、気持ちの切り替えをしてあげるのは大人の役目。

ただ子どもが立ち直ることを待つのではなく、気持ちの切り替えに成功した例などを出して、再び頑張ろうという気持ちを呼び起こしてあげることが大切です。