子どもの中学受験を考え始めたら、まず始めに取り掛かることと言えば塾選び。
しかし、最近は塾ひとつを選ぶにしても、テレビやネットであらゆる情報が飛び交い頭を悩ませてしまっているママも多いはず。
今回は、受験Lab代表で、『たった5分の「前準備」で子どもの学力はぐんぐん伸びる!』の著者、現役中学受験講師でもある州崎真弘さんに、失敗しない塾選びの極意をインタビュー。
昨今の塾事情もこっそりお聞きしちゃいました。
1:塾選びでは合格者数ではなく“実績”を重視すべし
――冒頭からズバリお聞きします。中学受験の塾選びで最も重要となるポイントは何ですか?
州崎真弘さん(以下、州崎)「ズバリ、塾選びにおいて一番重視する点は実績です。
しかも、首都圏で言うと、開成、桜蔭、筑駒、関西で言うと灘など、その地域で最高レベルの中学校の合格実績がどれだけあるのかという部分を見てください。たとえ、お子さんがそのレベルを目指していなくても!です。
それを見る場合、単純に合格者の数を見るだけでなく、その塾生の数に対して、そのレベルの中学校の合格者が何人いるのか?という割合も見るべきです。
いくら合格者数がそこそこいても、塾生の総人数に対しての割合が少ない場合、その合格者の子たちは塾にとって稀な存在ということですから。
合格者数=実績と見えてしまう落とし穴にはまってしまわないように!」
2:個別指導塾の前に集団で指導する塾を探すべし
――なるほど。確かに、単純な数ばかりに目がいってしまいがちですよね。完全に盲点でした。
州崎「あと、一番最初から個別指導塾を選ぶ、ということもおすすめしないですね。
子どもに寄り添ってとか、習熟度に合わせてとか、一見聞こえはいいのですが、本当に子どもの学力を引き上げられるようなレベルの高いプロの先生を子どもひとりずつに割り当てるなんてできないですよ(笑)
塾から見たら、コストパフォーマンスが悪すぎますから、個別指導塾は大学生のアルバイトの子が講師になっている場合が多いです。
あと、やはり子ども自身も、集団の中で切磋琢磨して、ある程度負荷をかけないと伸びないですね。
個別指導塾へ行くのは本当に最後の最後まで取っておくべきかなと思います。」
3:宣伝文句を鵜呑みにせず情報の取捨選択をすべし
――集団の塾に行かせるべきか? 個別指導塾に行かせるべきか?という部分、どこの親も一度は悩みますよね。
そして集団の塾にしよう!となっても、街中に広告もたくさんあるし、ネットにも情報が溢れているしでそこからまた悩んでしまうという……。
州崎「その部分に関して言えば、親がきちんと情報の取捨選択をすることが大事です。
これは先ほど話した、◯◯中学校に何人合格しました!という数に対する情報をしっかりと見極めるということにも言えるのですが、よく偏差値40だった僕が◯◯中学に合格!みたいな広告を目にしますよね。
子どもを中学受験させるって親も不安なんですよ。だからこういう情報にすがってしまいたくなる気持ちはわかるのですが……。
一時期流行った、事実を元にした書籍で『ビリギャル』ってありましたよね?全然勉強ができなかった女子高生ギャルが塾の先生と二人三脚で頑張って、慶應義塾大学に現役合格するっていうストーリーの。こういった事例ってかなり稀なんですよ!
だから本になったり、映画になったりするんです。
広告の文言に飛びつくのではなく、そういった例もあると心にとどめて、きちんと情報収集をし、自分で選択していくことが大事です。」