4:入塾の半年前から行動を開始して時間をかけて選ぶべし

――でも、情報の取捨選択って大人でもなかなか難しいものですよね。今後の中学受験に対してすがりたいような不安を持っていたらなおさら……。

州崎「そう、だから僕はよく塾選びには半年かけるべきって言っていますね。

この時期に入塾すると決めたらその半年前から資料請求するなり、見学に行くなりという行動を始めるべきです。

時間をかける最大の理由として、その塾がイマイチだなぁ〜と思っても、入塾した後では、なかなかみなさん転塾の決心がつかないんです。変な我慢をしますから。

だから、なるべく後悔しないように最初にしっかりと時間をかけることをおすすめします。

時間があればその分冷静になれますし、先ほど例に出した広告にしても、そういった事例もあるくらいに認識して、塾を選定することができますからね。」

5:その塾の人員が充分に配置されているかも確認すべし

これまでは、塾の様子を目にする前のポイントをお聞きしましたが、実際に見学などにいった時に見るべきポイントはありますか?

州崎「色々とありますが、意外と気がつかないところでいうと、事務員さんがいるかどうかですかね。しかも、子どもたちが塾に集まり始める夕方以降にきちんと事務員さんが配置されているかどうか。」

えっ! 事務員さんってどこの塾にでもいるものじゃないんですか!?

州崎「そうそう、最近はちゃんと事務員さんがいなくて、塾の講師が対応してるってところも多いんですよ。びっくりでしょ?(笑)

つまり人件費コスト削減のために、人員が不足しているってことなんですよね。

これによって、授業中でも保護者が来たら、講師が対応しなくてはならず授業が止まってしまったり、子どもたちに演習と称してプリントを解かせている間に、講師が事務所に戻って資料請求した人への営業電話をしていたり、という弊害が起こるわけです。

本来塾講師というのは、子どもに勉強を教えるためにいるのに、人員が不足している塾ではその一番重要な部分がおろそかになってしまう場合があります。

そのひとつのわかりやすいポイントが、忙しい時間帯にきちんと来塾した保護者や電話対応ができる事務員さんがいるかどうかなのです。

授業していたと思ったら、講師が電話対応のために教室から出て行ってしまったり、保護者対応に追われたり……なんて、肝心の子どもたちだって勉強に集中できないですからね。」

「こんなことまで言ったら、塾関係者に怒られちゃうかな(笑)」と言いつつも、これから塾選びをしようとするママにとって欲しい情報をズバズバ話してくれる州崎さん。

そしていざ入塾したら肩書き(校長や◯◯長など)に騙されず、"信頼できる先生"を見極めることも大切なんだそう。

「今は授業のコマ数を増やすよりも、自分自身で勉強する時間を取る方が大事」など、"営業"なしで子どものことを想ったアドバイスをくれる先生を見つけるのも、塾選びの時に培った情報の取捨選択能力が役に立つと言えそうです。

今回塾選びの極意を教えてくれた州崎真弘さんの著書たった5分の「前準備」で子どもの学力はぐんぐん伸びる!』は、ママにとってハッと気づかされる内容がいっぱい!

子どもが受験前にして成績が下降している、ママ自身が子どもの受験に対して余裕をなくている、そんなモヤモヤを抱えているママは是非手にとってみては?

ライター&エディター。マーケティング、広告関係の職種を経て、出産をきっかけにライターに。現在は女性向けや子育て関連等のwebメディアでライター、エディターとして活動し、2歳児のマイペースな息子にのんびり育児を実践中。猫と焼肉とビールをこよなく愛するテンプレート小市民。