近年すっかり定着した感のある、自己肯定感という言葉。

「自分は生きているだけで価値があるんだ」「自分は必要とされているんだ」と思える前向きな感情のことです。

自己肯定感を持てるかどうかは、幼少期の親との接し方が重要ともいわれています。

「でも、どんな育て方をすればいいのか……」と悩むママも多いことでしょう。

そこでいますぐ使える、子どもの自己肯定感を高める言葉やポイントをまとめてご紹介します。

10歳までの親子コミュニケーションのコツは?

子どもの自己肯定感を語るうえで欠かせないのが、親子の会話です。

ここでは、フリーアナウンサーでNPO法人親子コミュニケーションラボを主宰する天野ひかりさんの著書『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』から、親子の会話のコツを読み取ってみましょう。

子どもの器を大きく育てよう

本書で訴えられていることは、「親のいちばん大切な役割は『子どもの自己肯定感を育てること』。

自己肯定感を育てることを、本書では器(うつわ)を大きくすることと言い換えます。

大きくて丈夫な器を作っているのは、次の2つ。

(1)呼吸や睡眠によって、身体を健康に保つ働きをする脳幹

(2)心をつかさどり感情を育む大脳辺縁系

自己肯定感の強い子どもを育てるためには、この2つのステップを踏むことが先決だといいます。

しかしショッキングなことに、この器の成長は10歳までにほぼ決まり、その後はこの成長が緩やかになってしまうというのです。

意識して認める言葉がけを!

器を構成する2つの要素のうち脳幹は、身体を健康に保つ働きを持っています。これがすべての基礎。

もうひとつの大脳辺縁系は、心の働き。親に認められていると実感することによって発達します。

そのために重要なのが、親の認める言葉がけです。

たとえば、空を緑色に塗った子どもを「きれいに塗れたね」と認めてみるのです。

さらに、すぐ使える会話のコツは「子どもの言葉を繰り返す」こと。子どもが「痛かったんだ……」と言ったら「痛かったんだね」、「おいしい!」と言ったら「おいしいね!」とただ繰り返す。

簡単なことですが、子どもは「わかってもらえた!」と感じるといいます。

これなら、いまからできそうですよね。 

→詳しくはこちらの記事「本当に育てるべきは“子どもの器”! 10歳までの「親子コミュニケーション」のコツ」(よりみちこ)を読んでみてください。

幸せな将来のために、幼児期に言うべきたった2つのフレーズ

自己肯定感を育てるには、「子どもを認める言葉がけ」がポイントだとわかりました。

なかでも幼児期の親の接し方はとても大切だそうです。

ここでは、この時期に「できる!」という自信や「できた!」という達成感をふんだんに与えることによって、自己肯定感や自尊心が育つ言葉をご紹介します。

それは、たった2つのこのフレーズです。

1.「You can!(あなたならできる!)」

「あなたならできるよ。がんばって!」

「大丈夫!きっとできるわよ」

と、自信を持たせましょう。これは自己暗示で、イメージトレーニングにもつながります。

2.「You did it!(できたじゃない!)」

子どもが頑張ってできたことは、その言動や努力を認めてほめてあげましょう。

「お隣のおばさんにちゃんとご挨拶ができたね」

「お友達にごめんなさいって言えたわね」

このように声をかけると、子どもは「自分は大切な存在だ」と感じながら、自分の言動に自信を持つようになります。

ただし、気をつけたいNGなほめ方もあります。

ただ、「あなたはすごい!」「あなたはかわいい!」などと言うとどうでしょうか?

こんな風にほめられても、何がすごいか具体的に感じることができませんね。

自分が何も努力していないことをほめられると、自分は努力しなくてもすごい存在なのだと思ってしまうのです。

必ず子どもの言動や、努力したことを具体的にほめるように気をつけましょう。

 →自己肯定感がなぜ大切なのか? 詳しくはこちらの記事「たった二言で、子どもが将来幸せになる! 親が言うべき“魔法のフレーズ”とは」(平川裕貴)を読んでみてください。