関西を拠点にドイツ・ヨーロッパ公演まで、パイオニア的演奏歴を重ねて存在感を放ってきた大阪コレギウム・ムジクムが7月18日(日)、PIA LIVE STREAMでの配信に対応した〈現代(いま)の音楽 ~Music of Our Time~〉シリーズVol.30 を住友生命いずみホールで開催する。

「大阪コレギウム・ムジクム第123回大阪定期公演」チケット情報

日本とフランスの作品から構成され、オルガン独奏1曲と合唱曲3曲からなる今回のプログラムの目玉は、プーランクの金字塔的作品にして、20世紀における合唱音楽の最高傑作とも言われるカンタータ『人間の顔』。第二次大戦の最中、ナチス・ドイツ占領下のパリで地下出版されたポール・エリュアールのレジスタンス詩の中から、有名な「自由」など8編をテキストとし、フランス解放直後にイギリスで初演されたという凄絶な背景を持つ。人が人の生死を選別することが大手を振ってまかり通り、密告され捕らえられれば死という状況下で、詩人・音楽家・画家といった芸術家たちが命賭けで表現し生き抜いていた時代に生まれたこの曲は、極限の怒りや悲しみ、そして自由を取り戻した喜びが、美しさと荒々しさの両極の中に、知的で香り豊かに表現されているという。生で聴ける機会の滅多にない名曲を、ぜひじっくりと聴いてみたい。

また、首里城の典礼で歌われた「王府オモロ」とその再創造による寺嶋陸也の作品、日本のお馴染みのメロディを西洋音楽へと仕立てた千原英喜のミサ曲は、日本人の深層に流れる旋律を聴きながら、大阪H・シュッツ室内合唱団のサウンドで耳を喜ばせたい逸品。フランスのオルガニスト、ティエリー・エスケシュによる「エヴォカシオン II」では、住友生命いずみホールの大オルガンで、天上の響きから地の底の響きまでを味わうことができるだろう。

公演は7月18日(日)15時開演、チケット発売中。PIA LIVE STREAMによる同時ライブ配信は19日(月)までのアーカイブ視聴あり、ライブ配信チケットは19日(月)21時までの発売。