村松崇継 村松崇継

スタジオジブリ作品『思い出のマーニー』をはじめ数多くの映画音楽を作曲、竹内まりやが2019年のNHK紅白歌合戦で披露した『いのちの歌』や工藤静香の『勇者の旗』などへの楽曲提供ほか、幅広く活躍している作曲家・ピアニストの村松崇継。今回、3年ぶりとなるソロコンサート『Piano Sings 2023』を開催する。

村松崇継(p) チケット情報

手掛ける楽曲は、映画やドラマ、舞台の音楽、さらにジャンルもポップスから演歌まで多岐に渡り、オファーが途切れることはない。作品や歌手に寄り添い、その魅力を輝かせる仕事の中で、年に1度、自分自身を見つめるコンサート。自ら提供した『彼方の光』を歌う、天使の歌声で知られるボーイソプラノユニットLIBERAの来日公演に出演した翌日、ソロコンサートへの思いを語った。

始まりは映画音楽だった。クラシックを学んでいた大学在学中に自ら売り込み、2001年に天海祐希主演の『狗神』の音楽を担当したのが初仕事。「その後は来たお仕事をやっていったら、どんどん広がっていったんです」。敷居が高いと思っていたポップスは竹内まりやに背中を押され、縁がないだろうと思っていた大好きな演歌や歌謡曲は山内惠介の歌謡曲の話が来て『こころ万華鏡』が生まれた。「オファーはご縁ですね」。作曲家でピアニストの村松は自らを「僕が作ったオリジナルを、自分の手で奏でるアーティスト」と言う。彼の楽曲は優しく温かく、透き通ったメロディが心に染みる。「みんなの心に響くいい曲を作ることが大前提で、それを自分の演奏するピアノで癒しや希望や元気を伝えるコンサートをしたいんです。

今回は、いろいろあるけど、みんなで頑張って行こうねっていうのがテーマ」。コンサートは観客と対話しながら展開する。村松のコンサートは通常ではありえないほどMCが多い。「めちゃくちゃしゃべります。1曲終わったら『どうだった?』って聞いたり(笑)」。これも大きな楽しみのひとつだ。「僕も1年に1度、みんなと会うことでパワーをもらい、癒されて疲れが取れるんです(笑)」。即興コーナーもあり、観客が開演前に書いたリクエスト曲を弾いて3曲をプレゼントする。歌は歌わないが、思いはピアノとおしゃべりで伝える。「曲でみんなをハッピーにする、エンタメな感じです」。

村松は大阪を「ホーム」と呼ぶ。「アットホームなファミリー感がすごくあって、気取らなくていい。カッコ悪いところを出してもOKみたいなところがあるから、大阪公演ではほんとの自分が出せるんです。だからもう一回、大阪の地で自分のコンサートをやりたいと思って企画しました」。

公演は、12月15日(金)東大阪市文化創造館 ジャトーハーモニー 小ホールにて。チケットは発売中。

取材・文:高橋晴代