「当時私はチェーン店の居酒屋で働いていて、相手は近くのお店の社員の方でした。

近くの店舗とは食材やお酒の貸し借りが頻繁に行われていて、私が最初に彼のお店に食材を取りに行ったときにすごくカッコ良くてほぼ一目惚れ状態でした。

お店に戻ってから、店長にその社員さんのことをさりげなく聞くと、5つ上で既婚者ということが発覚。飲食店だから指輪をしていなかったのかと、そのときはもちろん諦めました。

その後、自分のお店の飲み会が行われて、そこに彼が来ていたんですよ。どうやら私のお店の店長が『お前のことを気に入っている子がいる』と連れてきたみたいで。

そこでは楽しく飲んで、帰り際に連絡先を交換しました。その後は私がこんな時間にメールしていて奥さんは大丈夫かなって思うほど、メールのやりとりは深夜に及ぶこともありました。

デートはお互いの休みの日に朝からドライブしたり、買い物に出かけたり……、体の関係を持つまで10回ほど普通のカップルのようなデートでした。

彼は私の家の前まで車で迎えに来て、私は実家なので両親に挨拶したこともあって。

既婚者だとは店長から聞かされただけで、本当に普通に会えるので私からも追及できませんでした……。

彼とは結局、彼がお店を辞めてしまって地方に行くということでお別れを言われました。

奥さんの実家近くに行ったことは店長から聞いて、彼からは何も聞いていないまま……」(30歳/飲食店)

同じ職場であれば相手のプライベートの情報はある程度は入ってくるものですが、微妙な距離がある場合は意外と個人情報は入ってこないもの。

また、彼に聞いたことで別れる結果になってしまったら……と怖くて彼女も聞けなかったとのこと。

彼女は付き合った当初は不倫の罪悪感があったものの、彼の口から家の話が一切でないことで、次第に罪悪感は薄れていったそう。

結果は、彼は独身同士のように付き合い、別れを辿りました。

もしかしたら彼は嘘を突き通せたと思っているのかもしれません。

フリーのライター・編集者。出版社で10年働いたのち独立。得意ジャンルは街ネタ、恋愛。お酒が大好き(ほぼ酔わない・酒豪)で、取材相手を飲みの席で見つけることが多い。