「その日は、お付き合いがはじまったばかりの彼氏とドライブデートをしていました。
お昼から郊外のホテルに入り、ゆっくり過ごして夜になってから出たのですが、なぜか帰り道で迷ってしまい。
郊外とはいえ地元だし、曲がる信号なども間違えていないはずなのに、気がつけば畑ばかりの農道を走っていました。
『あれ、ここ何処なの?』
と運転中の彼氏が首をかしげ、私はスマホの地図アプリで現在地を調べました。
本道から一本外れていることがわかり、アプリの誘導に従って運転していたのですが、背の高い草が生い茂るカーブを曲がろうとしたときです。
建っていたカーブミラーを確認したら、ライトで浮かんだ私たちのクルマの上に、何かが覆いかぶさっているのが見えました。
人の手足のようなものがあり、真っ黒い髪の毛もわかったのですが、彼氏も私も
『うわー!』
と同時に悲鳴を上げてしまい、危うく農道を外れるところでした。
『い、今の何!?』
『人じゃなかった!?』
と言い合うけれど確かめる勇気がなく、というかいま現在走っているクルマの上に何かいるかもしれず、本当に怖くてたまらなかったです。
スピードを上げて無事に本道に出て、すぐコンビニに入りましたが、クルマの上には何もいませんでした。
彼氏とは今でもあれが何だったのか話しますが、とりあえずその付近には近づかないようにしています」(女性/37歳/総務)
一瞬のことだし見間違いだったと思いたい、とこちらの女性は話していましたが、暗闇のなかでクルマに“何か“が乗っているのを目にすれば、恐怖でパニックになりますよね。
「いるはずがない」と無意識に思っているところだからこそ、ありえない状態はおそろしいもの。
その“何か”は追求しないのが正解かもしれません。