「ある土曜日の午後、フリマアプリで購入した荷物が届くのを待っていました。
部屋にいたら友人から電話がかかってきて、友人の恋バナや私の仕事の話などで盛り上がっていました。
30分ほど話したとき、その友人が
『あ、もうすぐだね』
って言ったんですね。
何のことだろうと思っていたら、玄関のチャイムが鳴ってびっくりして。
友人に断って出てみると待っていた荷物で、受け取りを済ませて電話に戻り、
『どうして荷物が来るってわかったの?』
と尋ねたら、
『え、何のこと?』
と今度は友人が驚いていました。
『さっき、もうすぐだねって言わなかった?』
『そんなこと言ってないよ』
と友人は返してきて、しばらく言い争いみたいになりましたが、その子はもともといたずらしたり嘘をついたりする性格じゃないし、本当にわからないようでした。
『……じゃあ、誰が言ったんだろうね……』
と、しばらくふたりとも無言でしたね。
恐怖体験といえるかわからないけど、いま思い出しても意味がわからないです」(女性/40歳/自営業)
*
確かにその子の声だった、と女性は繰り返していましたが、それでも「どうしてその女性が配達の時間を正確に言い当てたのか」は説明がつきません。
会話中の何気ない一言は、気に止めないからこそ後で思い出すと怖くなりますね。
その言葉は、もしくは空耳だったのでしょうか……。
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