『大人のための勉強法』
和田秀樹(著)
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「本番に強いのは、努力を目的にしてしまう頑張り屋さんではありません。目的意識を持ち、“どんなかたちでも結果につながればいい”と割り切れる人こそ、勉強の仕方に効率性を求め、工夫を重ねて、結果を出すのです」

結果を求める人は、勉強を“やりっ放し”にしない。そのため、試験勉強において重要な「復習」をきちんと行う傾向があるそうだ。常に合格への近道を探し、効率よく勉強をするから、日々の生活に負担をかけてしまうようなことも少ない。これが「いつも余裕があって、勉強などしていなさそうなのに、なぜか試験に強い人」の秘密のようだ。

真面目な人ほど、「満点を取る」と意気込んで、試験にとって非効率な勉強に時間を取られてしまうことも多い。和田さんが語る「4つのポイント」をしっかり意識して、スマートに試験を勝ち抜こう。

 

合格に不可欠な「3つの力」

1. 実力(学力)
いくら試験本番に向けた戦術を練り、また本番に動じないメンタリティを身につけたとしても、そもそもの「実力(学力)」が十分でなければ、当然ながら結果は出ない。注意すべきは、必ずしも資格を取得しようと考えている分野の知識を網羅しようとする必要はなく、試験の内容に特化した実力を鍛えておかなければならないということ。目的を絞った勉強が、試験に勝つための第一条件となる。

2. 戦術
スポーツの試合においても、同等の戦力なら監督(戦術)が優れている方に軍配が上がる。例えば、過去問を解いてシミュレートを重ね、各問題に割く時間配分を決定しておかなければ、「難問に時間をかけてしまい、易しい問題に手がつかずに終わる」ということにもなりかねない。合格ラインがどこにあり、どの問題を優先すべきか、という本番の戦術を組み立てることも立派な試験勉強だと考えたい。

3. 精神力
試験で重要な精神力とは、「火事場のバカ力」を発揮することではない。普段の精神状態を「落とさない」こと、パニックになったり、焦ったりしないことが大切だ。試験前に愛犬の写真を見たり、ジョーク集を読んだり、あるいはおまじないや自己暗示でもいいので、気持ちを落ち着かせる方法を確立しておこう。俗説や迷信であっても効果があればよし。試験において、「信じるものは救われる」は正しい。