社会人にとっての本番「プレゼンテーション」を成功させる具体的なメソッドを、「コンセプトメイキング[ https://ure.pia.co.jp/articles/-/10821 ]「資料作り」「本番の演出」「伝わる話し方」の4ステップに分けて解説。

今回は「資料作り」編。同じ内容のプレゼンテーションでも、「資料」の出来によっては、先方にメッセージがきちんと伝わらないこともある。やってはいけない資料作りと、伝わるパワーポイントの作り方とは?ビジネススクール教授の三谷宏治さんが解説する。

「お手元の資料」は必要ナシ資料はキーワードで作れ!

『一瞬で大切なことを伝える技術』
三谷宏治(著)
Amazonで購入
7netで購入

プレゼンテーションを補強してくれる資料は、多ければ多いほどいい――。
そう考えて山のように書類を準備するのは、どうやら間違いのようだ。
前出の三谷宏治さんは、「資料はなるべく少なく、シンプルなほどいい」と語る。

「例えば会社の役員プレゼンでは、驚くほど細かい部分に疑問が呈されることがあります。それは回答自体よりも“どこまで調べてきたか”という本気度を探るもの。確かに、考えうる疑問は可能な限り想定し、準備をしておく必要があります。しかし、調べたことをすべて資料にして、プレゼンで疑問点をすべて潰していくようなことは避けましょう。時間が足りず、メッセージが散文的になり、“結局は何が言いたかったのか”ということになってしまう」

また三谷さんは、「お手元の資料をご覧ください」というタイプのプレゼンテーションは避けたほうがいい、とも。手元に資料があれば、みなが勝手に読み始めてしまう。その上、人によって読むスピードも、気になる部分も違うため、その場をコントロールできなくなる可能性が高い。

つまり、資料はキーワードを書き出したパワーポイントやスライドで十分ということだ。注目を一点に集めて、詳細は言葉で伝えるのが理想的。資料に情報を詰め込むことに慣れてしまうと、ついついそれに頼ってしまい、“伝え方”を真摯に考える機会が失われる、というデメリットもある。

他方で、先方に紙の資料を要求されるケースもある。その際には、どんなことに注意して本番を乗り切ればいいのだろう?