仕事場や働く時間を自由に選択しやすくなった近年では、「仕事」と「生活」を切り離す必要性が薄れてきました。
そんな中で注目を集めつつある「ワークインライフ」という考え方を知っていますか?
「ワークライフバランス」は聞いたことがあるけれど、「ワークインライフ」という言葉にはあまり聞き馴染みがない…という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、近未来の新常識になるかもしれない「ワークインライフ」という考え方について詳しく解説します。
ワークインライフとは?
まずは、ワークインライフの概要について、ワークライフバランスとの違いについても確認しながら、詳しく見ていきましょう。
ワークインライフの意味
ワークインライフとは、簡単にいうと「人生や生活の中に仕事を溶け込ませる」という考え方を意味します。
長時間労働の慣習が根付いたかつての日本では、「仕事」と「生活」は対局の関係にあるとすることが一般的でした。
生活の主軸は仕事であり、人生における選択は仕事に支障がないものを選ぶ…という考えが常習化していたのです。
しかし、テレワークやフレックスタイム制度など、働き方が多様化してきた近年、「仕事」と「生活」は対局関係にはなく、「仕事(ワーク)は人生・生活(ライフ)の一部である」という考え方が広がりつつあります。
仕事を日々の生活に溶け込ませ、自身の理想の人生を実現できる働き方を選ぶ。これがワークインライフという考え方なのです。
ワークライフバランスとの違い
一見同じように思えるワークライフバランスとワークインライフですが、この2つは「仕事」と「生活」の関係性の捉え方が大きく異なります。
ワークライフバランスは、その名の通り仕事と生活のバランスを取ることを意味します。双方のバランスを整えることで、仕事と生活の充実度の向上を目指しているのです。
しかし、ワークライフバランスでは、仕事と生活はあくまでトレードオフの関係にあり、どちらかを優先させればどちらかが削られることになります。
一方のワークインライフは、仕事と生活を別のものとして捉えていません。ワークインライフでは、仕事は理想の人生を実現させるための要素であり、仕事と生活を調和させることを重要視しています。
仕事と生活が対極関係にあるか否か、これがワークライフバランスとワークインライフの端的な違いと言えます。
ワークインライフのメリット
ワークインライフを実現することで、私たちの生活に具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?代表的な2つのメリットについて説明します。
1. 仕事の生産性が上がる
ワークインライフを取り入れることで、仕事と生活を天秤にかけるストレスがなくなります。その結果、自ずと仕事へのモチベーションや満足度が高まり、日々の業務の生産性を向上させられるのです。
仕事の生産性が上がり、仕事へのやりがいを感じやすくなることは、最終的に人生の充実度を引き上げてくれます。
このような好循環を得られることは、ワークインライフの大きなメリットといえるでしょう。
2. 人生の幸福度(ウェルビーイング値)が上がる
私たちの多くは、日中の大半の時間を仕事に使っています。人生において大部分を占めるその時間の満足度が上がることは、人生の幸福度の向上に直結すると言えます。
人生の幸福度が上がれば自己肯定感も得やすくなり、日常のあらゆることを以前よりもポジティブに捉えられるようになるでしょう。
ワークインライフを実現することで、心がしっかりと満たされた状態になり、毎日を送りやすくなるのです。