「以前住んでいたアパートでのこと。

道路を挟んだ向かいにゴミ捨て場があって、便利だけれど野良猫やカラスが寄ってくるのでちょっと不衛生だなと感じるときもありました。

あるとき、仕事が終わってアパートに帰るとゴミ捨て場が汚れていて、生ゴミの欠片とか封筒の切れ端とかが散乱していました。

『回収車が来る前にカラスでも荒らしたのかな』

と思って通り過ぎたのですが、ふと違和感があって散らかっているゴミを見ると、何と私が捨てた保険会社の封筒で。

『これ、私が出したゴミだ!』

よりにも寄って私が出した袋を突付くなんてと思ったけど、住所や名前の貼られた部分だし仕方なく拾って部屋に戻ったんですね。

それ以上は特に何も感じなかったのですが、次のゴミ出しの日もいつものように袋を設置されたカゴに入れました。

ところが、夕方帰宅したときに見たら、また割り箸の袋などが散らかっていて。

“まさかね”と思いながら近づいてみると、見覚えのあるそれは、やはり私が捨てたもの……。

さすがに気をつけようと思い、次から袋を二重にして、カゴに入れるときも別のゴミ袋の下に置いたのですが、その日の夕方見たのは、私が捨てたDMの切れ端。

『これって、あえて私が出したゴミを狙っているのでは』

と思うと怖くなり、二週間ほどゴミ袋を出せずにいました。

うちはゴミの捨て方に厳しい地域で普段から気をつけているので、生ゴミなどもしっかり袋に入れてニオイが出ないようにしているつもりです。

私の捨てた袋ばかり裂かれるのはどうしてなのか、今でも理由はわかりませんが、二週間後におそるおそる出してからはこんな“被害”はなくなりました」(30歳/総務)

たくさん捨ててあるゴミのなかから、どうして自分のものだけを選ぶのか。

一度や二度なら偶然や捨て方が悪い可能性などを考えますが、対策をしたうえでまだ続くと、さすがに「狙われている」と感じますよね。

捨てた当人にしかゴミの内容はわからず、「まるで指名されているようだった」とこちらの女性は話していました。